今年のエミー賞、映画界の大御所が急増!ハリウッドの一流スター・監督がテレビ界進出へ!
今年のエミー賞は、巨匠マーティン・スコセッシが、初めて手掛けたテレビシリーズ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」でドラマ部門監督賞を受賞したことが象徴しているように、有名な映画監督や映画俳優が、テレビ界にどんどん入ってきていることを改めて認識させるものだった。
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スコセッシ以外にも、ニール・ジョーダン(「ザ・ボルギアス(原題) / The Borgias」)やトッド・ヘインズ(「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償」)、カーティス・ハンソン(「トゥー・ビッグ・トゥ・フェイル(原題)/ Too Big To Fail」)、オリヴィエ・アサイヤス(「コードネーム:カルロス 戦慄のテロリスト」)といったそうそうたる監督たちが、ドラマやミニシリーズ/TVムービー部門でノミネート。最近、コミックを映画化した特撮アクションなどばかり作られるようになったハリウッドで、ドラマを作る機会をなかなか持てない監督たちが、長い時間をかけてキャラクターをじっくり練り上げることができるテレビ作品に大きな魅力を感じるようになってきたということだろう。
同様に、映画スターたちも演じがいのあるキャラクターに惹(ひ)かれて、次々とテレビに出演するようになってきている。「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償」でミニシリーズ/TVムービー部門の主演女優賞を獲得したケイト・ウィンスレットをはじめ、助演男優賞を獲得したガイ・ピアース、「ケネディ家の人びと」で同部門の主演男優賞を受賞したバリー・ペッパー。また、ノミネートされていた俳優には、スティーヴ・ブシェミ、メリッサ・レオ、エヴァン・レイチェル・ウッド、ローラ・リニー、ポール・ジアマッティ、トム・ウィルキンソンなど、インディペンデント映画でも活躍してきた名優たちの名前がズラリと並ぶ。
司会のジェーン・リンチが、ウィンスレットが受賞した後で、「映画スターがテレビの仕事をやるようになったために、テレビスターが仕事にあぶれ、ビゲオゲームの声優の仕事をするようになったの。そして、そのビデオゲームが映画化され、もともとテレビスターの仕事を奪った映画スターがその映画に出演するのよ」とこの状況をジョークにして、受けていた。
とはいえ、今回も惜しくも受賞を逃した「MAD MENマッドメン」のジョン・ハムや、ハリウッド大作に立て続けに主演する「フライデー・ナイト・ライツ(原題) / Friday Night Lights」のテイラー・キッチュなど、テレビスターから映画スターになるケースも多く、今後はますますテレビと映画のボーダーがなくなっていきそうだ。
ところで、4年連続ドラマ部門作品賞を受賞した「MAD MENマッドメン」。テレビ史上、4度の受賞を達成したのは「ヒル・ストリート・ブルース」、「L.A. LAW/7人の弁護士」、「ザ・ホワイトハウス」。その記録を来年、破ることができるかどうか、すでに次のエミー賞が待ち遠しい。(吉川優子)
「エミー賞授賞式 ダイジェスト版」【字幕版】は10月1日20時よりAXNにて放送 ※11月にノーカット完全版、12月にダイジェスト版を再放送予定