ロンドン、レインダンス映画祭、もう一つの地球が出現する注目のSF映画で開幕!日本の才能も多数出品!
9月28日、ロンドンで第19回レインダンス映画祭が開幕した。オープニングを飾ったのはマイク・ケーヒル監督映画『アナザー・アース(原題)/ Another earth』。サンダンス映画祭でアルフレッド・P・スローン賞と審査員賞をW受賞したSF映画だ。
本作は、もう一つの地球が現れた世界を舞台に、傷ついた男女の癒しと再生を描いた異色SF映画。青い空にぽっかりと浮かぶ地球のビジュアルと、傷をなめあうように寄り添う男女が印象的だ。ケーヒル監督がオーディオ・ブックを聞いてインスパイアされたという、NASAのリチャード・べレンゼン博士の語りが流れるのも面白い効果を上げている。ケーヒル監督が「ダース・ベイダーと神が混じったようだ」と評する、独特の深みと落ち着きのある声だ。
本映画祭では、日本の新しい才能が紹介されるのも好例。本年も、ベスト・インターナショナル作品賞に吉田浩太監督映画『ソーローなんてくだらない』、ベスト・デビュー作品賞に田中情監督映画『シンクロニシティ』、ベスト・ドキュメンタリー作品賞に冨永昌敬監督映画『アトムの足音が聞こえる』がノミネートされたほか、緒方貴臣監督映画『体温』、三木孝浩監督映画『管制塔』、明石和之監督映画『PRESS』、坂口香津美監督映画『ネムリユスリカ』が参加している。
短編作品では、中江和仁監督『蒼い手』、落合賢監督『美雪の風鈴』、宮崎光代監督『TSUYAKO』が3本まとめて「サガズ・フロム・ジャパン」として上映される。また、NHKデジタル衛星ハイビジョンで放映されたテレビ番組『妖しき文豪怪談』シリーズが、塚本晋也監督『葉桜と魔笛』と落合正幸監督『片腕』に、李相日監督『鼻』と是枝裕和監督『後の日』の2本ずつをセットにした2編に分けてお披露目される。ロンドンっ子にとっては、日本の人気監督の作品をまとめて鑑賞できる機会になりそうだ。
レインダンス映画祭は9月28日から10月9日まで開催予定。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)