松たか子&阿部サダヲ、ユニークな夫婦関係にしみじみ、西川美和監督最新作『夢売るふたり』撮影終了!
松たか子と阿部サダヲが結婚詐欺の夫婦を演じる西川美和監督の最新作、映画『夢売るふたり』が、冬編撮影を一部残し、10月3日にクランクアップした。約1か月半にわたる撮影の終わりには、初共演を果たした松と阿部も感慨深げ。本作はこの後編集作業などを経て、来年秋に全国公開される予定だ。
夫を演じる阿部は、2日に茨城県常総市で行われたナイターシーンを一発OKで撮り終え、無事クランクアップ。妻を演じる松も、翌3日深夜にクランクアップした。松は、「撮影が始まったころの暑さを思い返すと、約1か月半走り続けて、まさかこの日が来るとは! という心境です。ほっとしたような、寂しいような気持ちでもあります」と脱力感に襲われたことを明かすと、初共演となった阿部について「映画で、しかも夫婦役でご一緒できるなんてとても光栄なことでした」と感謝の念を表した。本作は西川監督にとっても新境地となる夫婦関係を描いた作品だが、「西川監督との現場もとても面白くて、わたしたちが演じる夫婦を形作っていただきました。夫婦は、いちばん近くにいて、そして一生血のつながらない、不思議で、それでいて面白い関係だと思います。どんな映画になるのか、わたし自身も完成が楽しみです」と完成が待ち遠しくて仕方ないようだ。
一方で、阿部も本作の撮影を振り返り、「燃やしていただいたりだとか、水を掛けていただいたりだとか、いろいろやらせていただいて、すごくうれしかったです」とひねくれたコメントを残すと、「すごく楽しくお芝居をさせていただきました。本当にありがとうございました」と充実した現場だったことをうかがわせた。
本作は、映画『ゆれる』『ディア・ドクター』で一躍注目を集めた西川美和監督の最新作。自らの原案を基に書き下ろしたオリジナル脚本は、西川監督にとって、初めて東京を舞台にしただけでなく、初めて女性たちを描いた作品でもある。火事ですべてを失った夫婦が結婚詐欺を働くというストーリーから、何とも言い難い、切ない人間模様を紡ぎだすあたりはまさに監督の真骨頂。来年の邦画界を代表する一本になることは間違いなさそうだ。(編集部・福田麗)
映画『夢売るふたり』は2012年秋公開