ホリプロタレントスカウトキャラバン、初の声優発掘でグランプリの田所あずさ「少年マンガの少年役を演じたい」
10日、深田恭子や綾瀬はるかなど俳優やタレントを多く輩出した新人発掘オーディション「ホリプロタレントスカウトキャラバン」の第36回決選大会が品川ステラボールでおこなわれ、17歳で茨城県出身の田所あずさがグランプリを獲得。信じられないといった表情で「自信はありませんでした。家族に言っても信じてくれないかも。本当に夢みたいです」と喜びをコメントした。
フリルがついた濃紺のステージ衣装で歌唱審査に臨んだ田所は、平野綾が歌うアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の挿入歌「Lost my music」を熱唱。ほかの出場者たちもそれぞれ得意のアニメ曲を披露し500名が集まった会場はさながらアニメ声優のコンサートのような盛り上がりをみせた。また大会には奥井雅美、May'n、緒方恵美など声優アーティストも多数参加。アニメ「少女革命ウテナ」のテーマ曲「輪舞-revolution」やアニメ「ファイ・ブレイン 神のパズル」のテーマ曲「Brain Driver」を生で披露し、さらに会場をヒートアップさせた。
今回は35年のホリプロオーディションの歴史で初めて声優を生みだし育てるといったコンセプトのもと行われた。そのため応募者は全員アニメ好き。もちろん「声」が審査の大きなポイントになる。応募総数は声優オーディションとしては前代未聞の1万2,000名を超え、日本とアメリカの14か所で予選が行われたのち、一般投票などの熱海の合宿審査を乗り越えたファイナリスト10名が今回の最終審査に登壇した。
演技審査の台本読みは、全員緊張を口にしながらもさすがファイナリストといった具合に、しっかりとした腹式呼吸の発声で各キャラクターになりきって演じていた。その様子はプロの声優も顔負け。誰が選ばれてもおかしくない状況だったなか、グランプリを獲得した田所。審査員の一人で本オーディションの実行委員長を務めるホリプロの金成雄文は「声質と抜群のほっとけなさ、あと将来ののびしろに期待した」と洗練された演技力よりも田所のほんわかした誰からも愛されるその個性に注目したという審査結果を残した。
グランプリの夢をつかんだ田所は「グランプリ」と大書された、たすきをずり落としながらも、たどたどしくトロフィーを受け取り「何が起きているかよくわからないですけど、ありがとうございました。写真を撮ってもらってカメラがこっちを向いていてすごく怖かったです」と顔をくしゃくしゃにしながら号泣し、喜びを表現。そのちょっと天然の入ったコメントに会場は大ウケだった。
その後の囲み取材では堂々とカメラの前に立ち、笑顔をみせていた田所は「グランプリは夢みたいと聞いていたが、本当に夢みたい。正直自信はありませんでしたが、とても楽しかった」と緊張を見せつつもふんわりムードで話し、「将来は少年マンガの少年役ができるような声優さんになりたい。たくさんの人に支えられてこんなに大きなステージに立てました。今度はもっともっと大きなステージに立てるようになりたいです」と新たな夢の展望を語った。(取材・文:池田敬輔)