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仲里依紗、ハスキーボイスで監督を上から目線?「若いのにスゴイなって」

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仲里依紗-第16回釜山国際映画祭(BIFF)にて
仲里依紗-第16回釜山国際映画祭(BIFF)にて - Photo:Megumi Shibata

 10月11日夜、第16回釜山国際映画祭(BIFF)で「日本インディーズ界の優良株」と銘打つトークイベントが開催され、『ハラがコレなんで』の石井裕也監督、仲里依紗、石橋凌の3人が登壇した。

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 イベント名から想像できるように、この日の主役は、アジア・フィルム・アワードで第1回エドワード・ヤン記念アジア新人監督賞に輝くなど、海外でも高く評価される石井監督だ。その成功の軌跡が紹介されたあと、石井監督の日本映画界での位置づけを突然、司会者から問われた仲は、ムチャぶりに苦笑しつつも「『ハラがコレなんで』は独特な石井さんワールド。それほど幸せな物語ではないのに、観てよかったなと思えて幸せになっている自分がいます。若いのにスゴイなって、わたしのほうが年下ですけど(笑)。俳優の友だちにも、石井さんの作品のファンが多いです」と公演を終えたばかりの舞台「髑髏城の七人」の奮闘ぶりを物語るハスキーボイスで答えた。

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 一方、『Kids Return キッズ・リターン』を観た中学生時代の監督に「本物のヤクザだと間違えられた」石橋は、「出演のお話をいただいたときに大阪芸術大学時代からの作品を観て、非常にエネルギーを感じました。個人的には、昔の今村昌平監督の作品とダブります」とベテランらしいユーモアを交えて監督の印象を明かした。

 仲ふんする妊婦ヒロインの口ぐせ「粋だね」に代表されるように、石井ワールドには常に古風なテイストを感じるという司会者。その指摘に対して、監督は「世界中の人たちが生きづらさや閉そく感を感じるなかで、新しい価値観を模索していったら、たまたま日本の伝統的な精神性にたどり着きました」と振り返った。

 また「2000年以降、日本映画には“私”に関する作品が多いですが、石井作品は“私たち”というもっと広い捉え方ですね」と司会者が続けると、「イギリス人の映画評論家からも、『日本の若い作家は、“ミー・ジェネレーション(自分のことしか考えない世代)”の映画が多すぎる』と言われました。僕もかつては自分の半径3m内くらいのことに関心がありましが、最近は興味がなくなりました。僕は落語がすごく好きなんですけど、落語家は自分の好きな話をただ語るだけでは、気持ちよくはならないはず。自分の話で目の前のお客さん楽しませようとする姿勢、お客さんに届けようとする姿勢が大切だと思います」と老若男女から支持される、石井作品の魅力の一端を垣間見せた。(取材・文:柴田メグミ)

映画『ハラがコレなんで』は、11月5日より渋谷シネクイントほか全国公開

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