芦名星、生田“源氏”との恥ずかしすぎるリアルなドアップキスシーンの裏側を大胆告白!
「源氏物語」誕生の裏に秘められた悲恋と、物語の中で展開する光源氏の愛の行方を描いた映画『源氏物語 千年の謎』で、光源氏の癒やしの愛人・夕顔を演じた芦名星が、男心を惹(ひ)きつける夕顔の魅力、そして光源氏を演じた生田斗真とのキスシーンについて語った。
夕顔といえば、義理の母・藤壺への断ち難い思いを抱えながら、正妻・葵の上との関係に悩み、愛人・六条御息所との愛に息苦しさを感じた光源氏が、ひとときの安らぎを求めた女性。映画への登場シーンはごくわずかながら、光源氏との関係に悩み、苦しむ女性たちの中で、一人、喜びや幸せといった恋愛の良い面を享受する役どころとして、強い印象を残している。
夕顔について、芦名は「多くを求めず、今目の前にいる男性を心から愛し、一緒にいられる時間に幸せを感じられる。すごくピュアな女性だなと思いました」とその印象を語る。そして、光源氏に愛された理由を、「光源氏を取り巻く女性たちの中で、夕顔が一番、包容力があると思うんです。光源氏が素性を明かさない自分を不安に思わないかと尋ねても、『そこにあなたがいてくれればいい。目の前にいる人が真実だから』と言う。そういう温かい言葉に、光源氏は安心感を覚えていたと思います。六条御息所のように裏で渦巻いているものがあると、隠していても一緒にいる時間で伝わってしまうと思うんですが、その点、夕顔に居心地の良さを感じるのは、わたしでもなんとなくわかる。光源氏にとっては、すべてを受け入れてくれる女性だったんだと思います」と分析。だからこそ、「夕顔が死ななければ、二人はハッピーエンドになったんじゃないかと思うんです。藤壺への愛を忘れられるぐらい、愛し合っていたと思います」と夕顔としての自信もチラリ。実際、光源氏を演じた生田斗真も、「僕が選ぶなら、夕顔」と明かしている。
そんな二人の愛を象徴するシーンとして、薄明かりの中に浮かび上がる二人が、音もリアルに唇を重ねる姿がかなり長い間大写しされるキスシーンがある。完成した映画を観た芦名は、「撮影の時、確かにカットがなかなかかからないなとは思ったんですけど、そういうことはたまにあるので気にしていなかったんです。まさかあんなに寄っていて、あんなに長く使われるとは思っていなかったので、完成した映画を観た後ですぐに『ねえ、わたしたちのキスシーン、すっごく長い!』って、斗真くんにも連絡しちゃいました(笑)。体が真っ赤になるぐらい恥ずかしかったです」とかなりビックリしたそう。しかし、「あと5秒長く撮れば良かった」と後悔しているという鶴橋康夫監督からは「ちょっと短かったよな。ごめんな」と謝られたといい、「本当にリアルにしているので、あれだけ使ってもらえれば、やった甲斐(かい)はあります。あのシーンがあることによって二人のシーンがすごく印象に残ると思いますし、お互いを思い合う二人の愛情に満ちたシーンだと思うので、すごく大切なシーンだと思っています」と、ほほ笑んだ。
その一方で、夕顔を演じたことによって、「立ち居振る舞いも生活習慣も今とは全然違いますけど、気持ちだけは何年たっても変わらない」と感じたという芦名は、紫式部ら他の女性にも思いをはせる。「紫式部は自分が持っている感情をそれぞれの女性に当てて書いているんだと思うんです。人間であれば誰しもが持っている感情なので、みんな共感できる部分がある。ただ、紫式部自身に関しては、光源氏が苦しまなければ自分を保てないというところで、書いているうちに楽しくなったり苦しくなったり葛藤しながら、それでも書いていくというところに彼女の狂った感覚を感じましたね。その中で、夕顔と光源氏の愛し合った時間というのは、とっても美しいし、印象的だと思います」と「源氏物語」の魅力を力説した。その言葉通り、平安女性といえど、恋に喜び、悩み、悲しむ姿は現代女性とまったく変わらない。自分自身を重ね、日本人の原点ともいうべき愛の物語を堪能(たんのう)してみると、何か気付くことがあるかもしれない。(写真・文:小島弥央)
映画『源氏物語 千年の謎』は12月10日全国公開