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強面俳優・麿赤兒、借金取りから逃げまわった日々を赤裸々に振り返る!「人質になったこともあった」

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自分の顔が描かれた「赤鬼キャンディ」を不思議そうにながめる麿赤児
自分の顔が描かれた「赤鬼キャンディ」を不思議そうにながめる麿赤児

 3日、新宿K's cinemaで映画『天使突抜六丁目』上映後にトークショーが行われ、麿赤兒、山田雅史監督が出席、麿が自分自身の借金体験を振り返り、その破天荒な人生を赤裸々に語った。

映画『天使突抜六丁目』場面写真

 俳優・大森南朋の父親とは思えないような、一度見たら決して忘れることのできない独特なこわもての風貌(ふうぼう)。日本映画界の名わき役として名高い麿だが、かつては暗黒舞踏家の土方巽に師事し、唐十郎の劇団状況劇場に参加するなど、1960代、1970年代の演劇界に旋風を巻き起こしたカウンターカルチャーの先鋒的存在として活躍。さらに1972年には舞踏集団「大駱駝艦」を旗揚げ。アングラ界の怪人としてその名を知られてきたが、つい最近もヨーロッパで公演を行うなど、世界的な舞踏家としても名高い。

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 本作で麿が演じるのは、借金取りたてのプロ・赤鬼。本作の主人公は、「逃げられへんぞ!」と叫ぶ赤鬼に追いかけまわされることから、地図のない街「天使突抜六丁目」に迷いこむことになる。しかし、麿本人は赤鬼とは正反対の、借金まみれの人生だったという。レコード会社を作ったり、米屋を開業したりと幅広く事業を展開したものの、「商売の才能はなかった」ことが原因だった。「(本作の主人公が)借金取りから逃げるというのは思い当たる節がありますな。人質になったこともあったし、身につまされて(本作を)観ておりました」と赤裸々に告白。続けて借金取りとの攻防を振り返り、「(借金取りから逃げるのに)一番いいのはサウナですね。僕はよく逃げ込んでいました。それからあとは落語を聞きに行くといいですね。落語は借金取りから逃げる話が多いでしょ。なんだか救われましたね。それからここ(新宿K's cinemaの前身の名画座の新宿昭和館)に来たりね。ここは昔、『花と蛇』とかのピンク映画をやってたんですよ。そういうちょっとした突破をやっていましたね」と懐かしそうな表情で当時を語る麿であった。

 さて、麿が演じる赤鬼といえば、麿の顔が描かれた「赤鬼キャンディ」が本作の公開記念オリジナルグッズとして製作され、東京・新宿K’s cinemaなど公開劇場で限定1,500本が販売されている。麿も不思議そうな表情で、「何でこんなものができたのか? 共食いみたいでちょっと嫌ですけど。なめられて、しゃぶられて、しっかりしろよという感じだよね」とコメントし、会場を笑わせた。このキャンディのキャッチコピーは「顔はコワいが味はアマい!!」であるが、麿本人もまさにそんな人物。この日の観客はそんな麿の話に熱心に耳を傾けていた。

 本作は、地図には載っていない街「天使突抜六丁目」を舞台に、ひょんなことからそこで暮らすことになった主人公が遭遇する奇妙な人々や出来事を描く幻想ファンタジー。アンダーグラウンドな世界観を持つ、独特の怪しげな作風に目を見張る。(取材・文:壬生智裕)

映画『天使突抜六丁目』は新宿K's cinemaほか全国順次公開

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