反日映画?クリスチャン・ベイル、南京事件を描いた主演作について「人間を描いた映画」と擁護のコメント
チャン・イーモウ監督の最新作『ザ・フラワーズ・オブ・ウォー(英題) / The Flowers of War』で主演を務めたクリスチャン・ベイルが、この映画が反日的であると指摘が出ていることについて、映画は政治ではなく人間を描いたものと擁護のコメントをしている。
チャン・イーモウ監督映画『サンザシの樹の下で』写真ギャラリー
本作は、作家ゲリン・ヤンの小説を原作にした作品で、日中戦争時の1937年に起きた南京事件を背景に、旧日本軍から中国の女学生や娼婦たちをかくまい助けたアメリカ人神父との交流を描いている。南京事件は、旧日本軍が中国の一般市民や投降兵らを虐殺したとされる事件だが、その内容についてはさまざまな議論があり、中国と日本の間でしばしば政治問題としても取り上げられる、両国にとって敏感な問題。イーモウ監督のこの映画も、中国国粋主義的で反日的であるという指摘が出ていた。そんななか、神父役を演じたクリスチャンは、政治ではなく人間を描いた作品として本作を擁護。英BBCのインタビューに答え、「危機に直面したときの、人間の性質を表現した映画だ。人々は野蛮な行動に走るが、同時に、素晴らしく高潔な行動をとることもできるんだ」と語った。
本作は、第84回アカデミー賞外国語映画賞の中国代表作品に選出されているほか、北米での配給も決定している。(竹内エミコ)