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寅さんが女性に人気の理由 寅カジも話題で、旅・恋・ファッションに注目

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今でも多くの人々から愛される寅さんこと車寅次郎
今でも多くの人々から愛される寅さんこと車寅次郎 - (C)1972松竹株式会社

 今年2011年には女性ファッション誌で特集が組まれるなど、今までのファンとは違った層からも愛され続けている『男はつらいよ』シリーズの主人公・寅さんだが、寅さんがいつまでも老若男女を魅了し続ける理由を探った。

 寅さん風ファッションを“寅カジ”として大きく取り上げたのが、30代の女性をターゲットにする「Domani」。表紙を飾るモデルの知花くららが、寅さん愛用のそれに似たジャケットにさっそうと身を包んでキメポーズ。その姿に驚いた人もいただろう。今月12月には、WOWOWで「寅さん女子短期大学」なる番組がオンエアされ、モデルの冨永愛が中心となり女性の視点から見る『男はつらいよ』の魅力を山田洋次監督と共に分析する。これまた今までになかった企画だが、何が女性たちを寅さんに向かわせているのだろうか。

 寅さん映画の魅力の一つは「旅」。「旅」は女性誌の定番中の定番、世の女性たちが大好きな話題でもある。寒い季節には南へ暑くなれば北へ、気の向くままに行き先を決め、誰かれとなく交流を深める寅さんの気ままな旅の様子は、わずらわしい日常を忘れさせるのにもうってつけ。風情ある京都(『男はつらいよ あじさいの恋』)や秋の木曽路(『男はつらいよ 噂の寅次郎』)など、四季折々の日本の風景につかの間の旅気分を味わえる。

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 もちろん、『男はつらいよ』といえばマドンナが登場するのもお約束だ。リリー役の浅丘ルリ子をはじめ、吉永小百合や竹下景子といった日本を代表する名女優から、松坂慶子やいしだあゆみ、桃井かおり、後藤久美子など意外な顔ぶれがマドンナ役で画面を彩る。次から次へと美女と出会っては、笑いをとって相手の懐に入り込む寅さん。また寅さんといえば、名言集が発売されるほどの粋なせりふも聞き逃せない。例えば、マドンナに恋人がいたことを知った寅さんの「顔で笑って心で泣いてんだよ」(『続・男はつらいよ』より)。または、不幸なマドンナを思って、「『もっとそばにいて』。なぜ一言そう言ってくれなかったんだよ」(『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』より)。常に振られる役回りの寅さんらしく、恋の名言となるとちょっとほろ苦い。今時、珍しくなったピュアな愛情を貫く寅さんを、いずれ失恋することがわかっていてもつい応援したくなる。

 マドンナの幸せのために奔走し、再び旅立つ寅さんの姿は、観る者の気持ちまでもすーっと晴れやかにしてくれる。日本の原風景を楽しめる旅とひたむきな純愛、切なさの残るハッピーエンドが待ち受ける、いつでも裏切られることのない懐かしさと安定感。それこそ寅さんが愛される理由だろう。そして、名言やファッションに続く新たな魅力を、次なるファン層がさらに提示してくれるかもしれない。(岩永めぐみ)

 映画『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』は1月3日(火)午後0:00よりWOWOWにて放送。

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