AKB48前田敦子、2011年を振り返る!トップアイドルになっても「まだまだやれることがあるはず!」
押しも押されもせぬ国民的アイドルグループに成長したAKB48でセンターを務める前田敦子が、彼女たちの活動に密着したドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』の撮影に臨み、2011年の歩みを振り返った。
映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』場面写真
「CDが売れない時代」といわれる中、2011年だけで5作のミリオンヒットを生み出し、3年連続4回目となる「NHK紅白歌合戦」の出場を決めるなど、AKB48は名実共にトップアイドルになった。しかし、そんな一年を振り返った前田は「とても充実していましたけど、一言で言えば『まだまだ!』ってところです。まだやれること、そしてやらなきゃいけないことが残っているのはわかっていますから」とあくまで冷静だ。
前田がそう思うようになった大きなきっかけは、3月11日に発生した東日本大震災。華やかなステージに立つ人気アイドルに“自分たちの存在意義”を見つめ直させる出来事となった。「『わたしたちに何ができるんだろう?』って毎日悩んでいました。<「誰かのために」プロジェクト>という活動をスタートしましたが、結局、わたしたちにできるのは“歌うこと”なんですよね。自分たちの夢のためだけじゃなく、誰かのために歌うこと。そのストレートな答えを見つけ出せた気がします」と力強く語る。
大きな出来事を経験して感じた「誰かのために」という思いを持ちつつ、人気アイドルとして前に進み続けた2011年。22ndシングル選抜総選挙では1位に返り咲き、「ものすごく強いこだわりを持っているわけではないけれど、総選挙で1位になれたことはやっぱりうれしかったですよ」と本音もちらり。
しかし、その一方で「でも、順位とか数字以上のものを確認できたことが、2011年の大きな収穫だったと思っているんです」と話す。震災を受けて考えたことはもちろんだが、今年7月に開催された「よっしゃぁ~行くぞぉ~!in西武ドーム」公演も大きな転機となったそうで、「今までAKBが行ってきたライブの中でも特に大きな公演で、本当にいろんなことが起こりました。わたしは体力的にダウンしてなかなか立ち上がれなくなってしまったんです。自分でも『どうなっちゃったのかな……』ってはっきりしないぐらいの状態になっちゃったときに、各メンバーがそれぞれのやり方で支えてくれました。そこにはCDの売り上げ枚数とか選挙の順位とか、そういう数字では計れない気持ちがあったんですよ。会場に集まったファンの皆さんからもものすごく強い気持ちを感じて……。西武ドームはいろいろと反省すべき点の多い公演でしたけど、だからこそ学んだことも多かったんです」と自身も成長を実感した様子だ。その壮絶な西武ドーム公演の舞台裏の映像も、本作の大きな見どころとなっている。
アイドルとしてトップに上り詰め、「数字ではなく、気持ちの大切さを学んだ一年」と話す前田。「いろんなことがあった一年だからこそ、各メンバーがそれぞれに強い思いを抱いたし、その結果、一人一人ができることを見つけていきました。そういう意味で、発足6年目にして新たに挑戦することも多かったんです。わたしたちが挑み続ける姿を見た人が、勇気を持って前に進めるようなドキュメンタリー映画になるはずです」と作品について話す言葉からは、彼女自身の2011年が充実した一年だったことがうかがえた。(大小田真)
映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』は2012年1月27日より全国公開