観ると98%がトラウマに!? 韓国映画『哀しき獣』のバイオレンス描写がすごい!
映画『チェイサー』の韓国の異才、ナ・ホンジン監督による最新作『哀しき獣』の、衝撃的なバイオレンスシーンが話題になっており、試写会後のアンケートでは、この作品の観賞後、98%の人がトラウマになりそうだと回答していることがわかった。
ナ・ホンジン監督は本作を撮るにあたり、前作『チェイサー』でタッグを組んだ実力派のハ・ジョンウとキム・ユンソクに出演を依頼。ハ・ジョンウは、中国領の「延辺朝鮮族自治州」で暮らす朝鮮族の主人公のグナムを熱演し、キム・ユンソクは、そんな彼に韓国での殺人を請け負わせるミョン社長を怪演してみせた。
やがて二人は運命のいたずらにより、お互い命懸けのチェイスを繰り広げることになるのだが、殺してもゾンビのように生き返りそうなミョン社長の迫力は恐ろしい。銃などの飛び道具は一切使わず、まずは己の拳におの、さらには骨の棒まで握りしめて敵に襲い掛かるのだから相手もたまったものじゃない。
まさかそんな……と思うような武器の登場にがく然とするのは必至で、その結果「“お願いだからそれで自分を殺さないでくれ”と思う武器は?」との質問に、91%の人が「骨の棒」と回答していることからも、その恐怖がじわじわと伝わってくる。おのや包丁、骨の棒などの武器が人間の頭や体に当たり、刺さったり砕けたりする音の怖さも尋常ではなく、「本作を観た後トラウマになりそうですか?」との質問に「なりそう」と答えた人は98%にも上っている。
作品への満足度も89%と高く、「前作『チェイサー』の面白さを100%としたとき、本作『哀しき獣』の進化度は?」との問いには、何と150.5%という回答を得ていることからも、この映画がただのバイオレンスものではないことがよくわかる。どうしようもない己の宿命から逃れようともがけばもがくほど、ずぶずぶとその深みにハマってしまう男たちの痛切な痛みと心の叫びが、観る者の心をとらえて放さないに違いない。(文:平野敦子)
映画『哀しき獣』は2012年1月7日よりシネマート新宿ほか全国公開