サンダンス映画祭の創始者、ロバート・レッドフォード「どんなことがあってもインディー映画を守り続ける」と宣言
現在、アメリカ・ユタ州で開催されているサンダンス映画祭で、本映画祭の創始者である俳優のロバート・レッドフォードが、今の映画業界から危惧すること、また映画祭の今後の可能性を語った。
今年で34年目を迎えるサンダンス映画祭だが、ここ数年で急激に世界の映画業界から注目を集めていることについて「映画祭の規模が大きくなるにつれ、インディペンデント映画を作る、発表する、守るという自分たちの基本姿勢を失ってしまうことになりかねないので、手放しでは喜べないというのが正直な気持ち。ただ、こうやってインディペンデント映画のクリエイターたちが世界中から注目を集めるのはうれしいことだ」と述べた。
そして、近年のスタジオ作品のヒット作減少や、映画市場のデジタル化の加速によって、インディペンデント映画業界に追い風が吹いていることにも言及。「メジャー映画の近年の落ち込みや、デジタル技術の向上によって、今までメジャーで活躍していたクリエーターたちがインディペンデント映画に回帰しており、底上げされてきている。事実、今年の映画祭に参加しているスパイク・リー監督(『25時』など)やスティーヴン・フリアーズ監督(『クイーン』など)らが、素晴らしい例」と紹介した。
また、今後もサンダンス映画祭を通して、世界中のインディペンデント映画業界をサポートし続けることを改めて宣言。「近年、インディペンデントで金儲けに走ろうとする傾向があり、サンダンス映画祭はそういった流れに惑わされないように、より一層の努力をして運営に従事する必要がある。この映画祭はインディペンデント映画にかかわるクリエーターたちの創作活動を全面的にサポートすることに注力するべき」と自らの映画祭でありながらも苦言を呈した。(取材・文:高松美由紀)
サンダンスの受賞結果は現地時間1月29日に発表される予定