なぜ米軍基地はなくならないのか?普天間基地問題の真実に迫る!『誰も知らない基地のこと』公開決定
世界約40か国、700か所以上に存在する米軍基地の実情に迫ったドキュメンタリー映画『誰も知らない基地のこと』が、4月に劇場公開されることが決まった。本作は、2007年にイタリアで起きた基地拡大反対運動をきっかけにイタリア人若手監督が制作し、沖縄の普天間基地移設問題の真実にも迫った作品だ。
沖縄返還から40年の節目を迎える今年。日本の命題として長くメディアで報じられてきた普天間基地移設問題だが、いまだに解決の糸口は見つかっていない。この問題の実態が世間一般に広がりを見せない中、普天間をはじめイタリアのヴィチェンツァやディエゴ・ガルシアなど、基地問題に揺れる現場を取材したイタリア人監督がいる。
エンリコ・パレンティとトーマス・ファツィ。両監督は当初、日本での取材は考えていなかったと明かしたが、完成作では「沖縄の撮影部分こそが最も重要なパートとなっていた」と語っている。公開された予告編にも普天間基地問題で苦しむ地元の方々が、懸命に戦っている姿が映し出されている。
戦後60年以上を経てもなぜ軍事基地はなくならないのか? そんな疑問を抱えた本作は、基地、そして兵士が起こす事件に人生を左右される住民と、専門家への取材を通してつむがれるドキュメンタリーで、軍事基地問題の真実を暴いていく。
不平等な力関係に屈せず希望を捨てない沖縄の人々の姿に「日本人の精神性の高さと心の強さ」を感じたという両監督。「彼らの姿に続こうと、日本の、そして世界の人々がこの映画によって勇気づけられることを願っています。希望と敬意を込めて」とメッセージを送っている。(編集部・小松芙未)
映画『誰も知らない基地のこと』は4月に渋谷シアターイメージフォーラムほか全国順次公開