今年60歳のリーアム・ニーソンのアクション・アドベンチャー映画『ザ・グレイ』が全米ナンバーワン! -1月30日版
全米ボックスオフィス考
ここ数年、新アクション・ヒーロー的存在となっているリーアム・ニーソンの新作アクション・アドベンチャー映画『ザ・グレイ(原題) / The Grey』が1,967万ドル(約15億7,360万円)をたたき出し、全米ナンバーワン映画に輝いた。本作は、人里離れた雪山に不時着してしまった小型飛行機の生存者が、血に飢えたオオカミたちと生死のバトルを繰り広げながら何とかサバイブしなければならないというストーリー。このオオカミvs.リーアムたちというシンプルな構図が功を奏したのか、週末に公開された新作をけ散らしての第1位となっている。(1ドル80円計算)
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第2位は、先週のトップから51.2パーセント落下した映画『アンダーワールド 覚醒』の1,235万ドル(約9億8,800万円)。公開から10日の総合収益は4,500万ドル(約36億円)となっている。代わって第3位は、キャサリン・ハイグルの新作ラブコメ映画『ワン・フォー・ザ・マネー(原題) / One For the Money』で1,152万ドル(約9億2,160万円)の興収。前評判は悪かったのだが、フタを開けてみたらトップ3にランクイン。年配女性に人気の小説シリーズを映画化したこの作品は観客も何と79パーセントが女性だったという統計結果が発表されている。
興味深いのは、『ワン・フォー・ザ・マネー(原題) / One For the Money』のPR作戦である。割引クーポン・サイトのグルーポンと提携し登録メンバー中、約2,000万人に同作の割引鑑賞券売り出しのEメールを配信したのである。登録メンバーの85パーセントが女性であるといわれているグルーポンでは、マーケティング展開にちょうど良かったのかもしれない。だが配給によると、週末に本作を観に来ていた観客の11パーセントのみが割引鑑賞券の使用者だったということで、グルーポンの恩恵は収益中100万ドル(約8,000万円)ちょいだったようだ。
第4位は、先週から2ランクダウンで映画『レッド・テイルズ(原題) / Red Tails』。44.8パーセント落ちて1,037万ドル(約8億2,960万円)の収益だった。トップ5の最後は映画『タイタンの戦い』以来、ヒット作から遠ざかっているサム・ワーシントンの新作サスペンス映画『マン・オン・ア・レッジ(原題) / Man on a Ledge』で800万ドル(約6億4,000万円)。観客調査によると、観に来ていたのは男女半々で全体の56パーセントは25歳以下だったという結果が出ている。アメリカ映画ファン批評サイトのシネマスコアによれば、B+の成績であることからひょっとするとこのまま次週もトップ5内にとどまる可能性も。
今週末公開される上位狙いの新作は2本。一つ目は、ドリュー・バリモアお得意のホンワカ映画『ビッグ・ミラクル(原題) / Big Miracle』。アラスカでクジラの親子が氷に閉じ込められて動けなくなってしまい、そのままでは死んでしまうクジラたちを救おうとドリューのキャラを筆頭に、人々が力を合わせてクジラをレスキューしようとする感動の実話を基にした映画だ。ドリューとクジラの組み合わせ……これは売れそうな予感がする。
二つ目は、ハリポタを終えたダニエル・ラドクリフ主演のホラー映画『ザ・ウーマン・イン・ブラック(原題) / The Woman in Black』。普段のホラー映画ファンに加え、これまでのハリポタ・ファンがダニエル主演の映画だからといって観に来てくれるかに、上位入りの命運がかかっている。最後に、新作で気になるのが20世紀フォックスの映画『クロニクル(原題) / Chronicle』という作品。 無名監督・無名俳優のSFスリラー作品で、映画『X-メン』と映画『8mm』を足して2で割ったような作品らしいのだが……公開後の評判に注目したい。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)