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高橋伴明監督、監督を辞めようとして妻・高橋惠子に「わたしは映画監督と結婚したんです!」と言われたことを告白

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映画『道~白磁の人~』吉沢悠主演と高橋伴明監督
映画『道~白磁の人~』吉沢悠主演と高橋伴明監督 - Photo:Harumi Nakayama

 大阪アジアン映画祭が9日、大阪・梅田ブルグ7で開幕し、吉沢悠主演&高橋伴明監督『道~白磁の人~』がワールドプレミア上映された。今年が監督デビュー40年となる高橋監督は「私事ですが今年は(女優・高橋惠子と)結婚して30年でもあります。一度、監督を辞めようとしたこともあったんですが、カミさんに『わたしは映画監督と結婚したんです!』と言われまして(苦笑)。そして今、映画監督として(日韓スタッフで制作した)この映画でここに立ててうれしい」とあいさつし、会場から大きな笑いと拍手を浴びていた。

 同作品は日本統治時代の朝鮮で、戦争や乱伐で荒廃した山林の復活と、白磁など朝鮮工芸や文化の研究に情熱を注ぎつつも、わずか40歳でこの世を去った浅川巧の生涯を描いたもの。偏見なく朝鮮文化と人を理解しようと努めた浅川の姿勢に胸を打たれた人は多く、韓国・忘憂里市立公園には墓が建てられ、いまだ韓国人によって守られているという。

 撮影は、浅川の故郷・山梨と韓国で行い、スタッフの8~9割が韓国人という混成チームで撮影。浅川と友情を育む林業試験場役に、韓国ドラマ「華麗なる遺産」のペ・スビンが出演しているのも話題だ。吉沢はプライベートでも共通の趣味・釣りを通してスビンと親しくなったそうで「撮影が終わってからスタッフには内緒で、夜釣りに出かけたこともありました」と語ると、客席のスビン・ファンから羨ましい~と言わんばかりの黄色い声が上がった。

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 撮影直前の2011年7月に韓国が集中豪雨に見舞われ、建設していたオープンセットが流されるという非常事態が起こったが何とか乗り切り、むしろ日韓スタッフのきずなが深まったという。高橋監督は「この日韓併合時代の歴史が、いまだに尾を引いていると思う。それでも、人と人は人種が違っても分かり合える、いや、わかり合わなければいけないと思う。いま日本では絆という言葉が頻繁に使われるけど、その一方で(被災地の)瓦礫なんか引き取りたくないという所がある。そういう表面的な部分ではなく、根本的な部分で分かり合えなければ。相手を思いやる心の大切さを受け止めてもらいたい」と最後は巨匠らしく辛口の言葉を締め、「カムサハムニダ」と韓国語で御礼を述べて颯爽とステージを去った。 なお同作品は今秋、韓国での公開が決まった。(取材・文:中山治美)

映画『道~白磁の人~』は6月9日公開。

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