クレしんファン投票1位『オトナ帝国の逆襲』には、未ソフト化の幻のテレビ放送元ネタがあった!「しんちゃんナイト」で監督自ら告白
13日深夜、新宿バルト9にて「しんちゃんナイト」と題したイベントが行われ、20作目の記念作品となる最新作『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』と、ファン投票で1位を獲得した『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』が上映され、増井壮一監督、原恵一監督、そしてしんちゃんの父ひろし役の声優・藤原啓治らが貴重な裏話を披露した。
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』写真ギャラリー
劇場版が20作目となるのを記念し、子ども厳禁の「しんちゃんナイト」が6年ぶりに解禁。終電がなくなる時間にも関わらず、劇場には250人近い大人の観客が集まった。ほぼ満員の客席を見渡した原監督は「自分がしんちゃんに関わっていたときは、大人ばかりの上映会が開かれるなんて期待も想像もしていなかった。本当にうれしい」と笑顔に。
この日改めて映画を鑑賞したという原監督。「ひさびさに観て、予想以上にテンポがよかったんでびっくりした。今のおれには作れないな。やればできるんだなと思いましたよ」と冗談交じりにコメントすると、「シリーズから離れてわかったけど、あんなに自由度の高い作品はなかった。1本の作品でギャグ、シリアス、しんみり、下品が全部入るなんてことはない。貴重な作品だと思いますよ」と付け加えた。
普段は無口な原監督だが、この日は「酒を飲んできた」とのことで、終始ご機嫌モード。口もなめらかになり、「実はテレビシリーズに『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を作るきっかけになった回があった」と貴重な秘話を明かした。
「これはソフト化されていないんですけど、懐かしのアトラクションが出来て、みんなで行くという話を作ったんです。そこではひろしが、YMCAを踊りながら、『ひろし感激!』と言ったり、みさえがピンクレディーを踊ったりしてね。でもこれだけで満足すると思ったら、中途半端に、自分の中に火がついてしまって、我慢できずに映画のネタにまでしてしまった。ただ、(その回は)タイトルも忘れてしまってね。もう一度観たいんですけど、たぶん著作権とかの理由でソフト化できないんでしょうね。誰か録画していたら僕に観せて欲しい」と残念そうな表情に。このように、この日は次々と貴重な話が飛び出し、熱心に耳を傾ける観客たちの姿が多くみられた。(取材・文:壬生智裕)
シリーズ最新作『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』は全国公開中