名画『メリー・ポピンズ』の原作者は、映画化権をディズニーに売ったことを死ぬまで後悔していた!
1964年に製作されたジュリー・アンドリュースの代表作、『メリー・ポピンズ』の製作の裏側を描く映画『セイビング・ミスター・バンクス(原題) / Saving Mr. Banks』では、映画の出来に不服だった原作者のパメラ・L・トラヴァースと、製作会社ディズニーとの確執が描かれるもようだ。
テレグラフ紙(電子版)によれば、1930年代にトラヴァースが出版した児童書のシリーズ「メアリー・ポピンズ」の映画化をしぶる彼女を、ウォルト・ディズニーは14年かけて説得しようやく製作にこぎつけるが、プレミア上映を観たトラヴァースは、あまりのひどい仕上がりに上映の間じゅう泣きどおしだったという。
原作と映画の違いは、これまでも何かと話題に上ってきた。バンクス家のお母さんが、女性参政権運動にのめりこんで忙しくしているという設定は原作にはなく、映画の舞台となった1910年のイギリスの社会を反映したものだった。また原作のメアリー・ポピンズは、映画のアンドリュースとは違い、もっと無愛想で厳格なキャラクターの持ち主として描かれている。
ハリウッドとの仕事が悪夢のような体験だったことから、その後キャメロン・マッキントッシュによりミュージカル舞台化された際、製作にはアメリカ人がかかわらないことを条件に承諾したとテレグラフ紙は伝えている。
現在、トラヴァース役にエマ・トンプソン、彼女との交渉にあたったウォルト・ディズニー役にトム・ハンクスが有力とされている。製作が当のディズニーなだけに、本作では原作者の不服に対する製作側の“言い分”が語られそうだ。監督は映画『しあわせの隠れ場所』のジョン・リー・ハンコック、公開時期は未定。(鯨岡孝子)