ジョージ・ルーカス、周囲の住民の同意が得られず、構想約40年に及んだ最新鋭製作スタジオの建設を断念 代わりに低所得者住宅の建設計画を提唱
ジョージ・ルーカス監督は、北サンフランシスコに広がる広大な牧草地帯マリンカウンティに所有する土地に、最新鋭製作スタジオを建設する計画を進めてきたが、この地に居住する富裕者たちの同意が得られず、構想約40年に及んだプロジェクトを断念すると発表した。
サンフランシスコ・クロニクル紙(電子版)によれば、ルーカス・ヴァリー・エステートと呼ばれる一帯に家を保有する富裕者たちは、ルーカスが所有する牧草地は自分たちの裏庭のようなもので、スタジオの建設工事や、交通量の増加により生活が脅かされるとして、反対の姿勢を貫いてきた。
ウェブサイトmovie.comによれば、デイケアセンターやレストラン、ジム、200台分の駐車場を備える予定だった製作スタジオは、約3億ドル(約240億円)の経済効果を生み出す見込みだったとのことだ。
そしてこの度、ルーカスは公式な声明文を出し、「マリンで仕事をし暮らすことを愛してはいるけれど、ルーカス・ヴァリーの人々と25年にもわたり抗争を続けてきた。もうたくさんだ。マリンはベッドタウンに適した場所で、ビジネス向きじゃない」と、スタジオ建設を断念した旨を発表した。
さらにルーカスは、声明文にて、「住宅を建設する方が土地への影響が少ないというのがみんなの意見なので、より必要としている人たちが恩恵にあずかれるような場所になることを望んでいる」と述べ、スタジオを建設する予定だった牧草地に、低所得者のための住宅を建てる計画を提唱している。
反対を唱えてきた富裕者たちは、スタジオ建設の中止に胸をなでおろしたのもつかの間、新たな建設計画と、他所からの住民層の移住に目を光らせなければならないようだ。(鯨岡孝子)