スタジオジブリ作品の原点はここにあった!宮崎駿監督自らコメント&イラスト付きで紹介!ジブリ美術館新企画展示
1日、三鷹の森ジブリ美術館内覧会が行われ、2日より開催される新企画展示「挿絵が僕らにくれたもの」展の全ぼうが明らかになった。「自分たちの原点がここにある」。宮崎駿監督自ら企画、原案した今回の企画展示では、宮崎監督の原点が明らかにされている。
児童文学の黄金時代、ヴィクトリア朝の英国で編纂された古典童話集「アンドルー・ラング世界童話集」。その挿絵を目にした宮崎監督は、「そうか、この本が“おおもと”だったんだ」と自身の原点がそこにあることに気付いたという。今回の企画展示は、そんな宮崎監督の手作り感が満載。一枚一枚に、宮崎監督がコメントを寄せ、時には直筆のイラストを寄せ、ヘンリー・ジャスティス・フォードが描いた挿絵174点を紹介している。
この日、三鷹の森ジブリ美術館館長の中島清文氏は、新企画展示でも紹介されている宮崎監督作品の源流となった四つの作品を、自らパネルを用い紹介した。一つは、宮崎監督が2006年、イギリスのテート・ギャラリーを訪れた際に目にしたという19世紀の画家ジャン=フランソワ・ミレーの絵画「オフェーリア」とジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの絵画「シャーロット姫」。そして、1949年から1956年まで、月刊「少年少女冒険王」にて連載されていた福島鉄次の絵物語「砂漠の魔王」。最後に、20世紀初頭に活躍した画家イワン・ビリービンの絵画。
「オフェーリア」「シャーロット姫」は、2008年に公開された映画『崖の上のポニョ』に影響を与え、「砂漠の魔王」からは、1986年に公開された映画『天空の城ラピュタ』に登場した飛行石の着想を得、イワン・ビリービンの絵画は、宮崎監督のアニメーション作りの原点になっているという。
かねてより、自分たちのアニメーションは、作家性、芸術性の求められるファインアートではなく、一般の人に向けた通俗文化だと語っているという宮崎監督。自分はミレー、ウォーターハウス、福島、ビリービンに着想を得たけれども、彼らも先代の影響を受けたはず。「ぼくは、弟子の弟子の、又その弟子だったのです」。宮崎監督が60代になって気付いたある答えが、今回の展示に詰まっている。(編集部・島村幸恵)
新企画展示「挿絵が僕らにくれたもの」展は三鷹の森ジブリ美術館(日時指定予約制)にて2012年6月2日(土)から2013年5月まで開催予定