阿部寛が古代ローマ人に見えるのはなぜ!? 仰天の肉体改造エピソード監督が披露!
11日、デジタルハリウッド大学の秋葉原メインキャンパスにて、「大ヒット映画『テルマエ・ロマエ』ができるまで」と題された公開講座が行われ、メガホンを取った武内英樹監督が、古代ローマ人にふんした阿部寛の役者魂について語った。
公開44日目となる6月10日時点で、興行収入50億円突破が間近に迫った本作。武内監督自身も「20億超えたら成功だと思っていたのに、まさかこんなにヒットするとは」と驚きを隠せない様子。武内監督に本作の企画が寄せられたのは2011年3月のことだった。フジテレビの稲葉直人プロデューサーから「(ローマ人役の)阿部寛主演で映画化したいが、これは『のだめカンタービレ』で、日本人に外国人を演じさせた武内さんしか撮れない」とラブコールを受けた。阿部自身からも「(ドラマ「できちゃった結婚」で組んだ)武内さんで」と指名があったというが、役づくりにとことんこだわる阿部。「現場では一筋縄ではいかないかもしれないな」という武内監督の予感は的中したという。
「シェイクスピアみたいな濃いメイクでローマ人風に見せるのではなく、素の阿部寛を古代ローマ人に仕立て上げるのが面白い」と話す武内監督。メイクはしないと割り切って役づくりを行ったというが、そこで重要になってきたのが、「肉体美」だった。トレーナーに原作の石造を見せ、「これにしてください」と言ったという阿部について、武内監督は、撮影現場でも、パンツ一丁で消火器を抱えながらスクワットをし、伊豆の温泉の中の洞窟風呂の中でもマネージャーを肩車しながら「フンッ、フンッ」とスクワットをしていたと明かす。「身体が細くて(「北斗の拳」の)ケンシロウに見えないな」とポロッと言うと、「前張りをつける」と言うなりプイっとホテルに帰って3、4時間帰って来ず、実はその間に、部屋にこもって筋トレをしていて、出てきたときは朝とは違う体になっていたといった話や、筋トレをやりすぎて腰を痛めたといった話など、阿部の役者魂が感じられるエピソードを次々と明かしていった。
阿部は「人生で2番目にきつかった」と撮影を振り返ったというが、出来上がった作品には納得していたという。この日の受講者たちは、そんな阿部の役者魂に感心していたようだった。(取材・文:壬生智裕)
映画『テルマエ・ロマエ』は全国公開中