58年前の水爆実験が日本に与えた被害の真実…『~放射線を浴びた~X年後』公開決定
1954年にアメリカがマーシャル諸島で行った水爆実験により日本が受けた被害の真相に迫ったドキュメンタリー映画『~放射線を浴びた~X年後』が、9月15日より劇場公開されることが決まった。
知られざる事実の衝撃…映画『~放射線を浴びた~X年後』予告編
本作は、アメリカが58年前にマーシャル諸島ビキニ環礁で計6回行った「ビキニ水爆実験」を題材にしたドキュメンタリー映画。当時、日本の多くの漁船が近海で作業を行っており、第五福龍丸が被ばくした事件としても知られているが、日本が受けた本当の被害の事実を知る者は少ない。
本題材を約8年にわたり取材し多数のテレビ番組制作を行ってきた愛媛県の南海放送が、それらの素材を映画として再構成し、劇場公開することとなった。2012年1月に日本テレビ系列「NNNドキュメント」で放送され話題を呼んだ「放射線を浴びたX年後」に新たな映像を加えた劇場版となっている。
スクリーンに映し出されるのは、被災漁民やその家族に徹底取材を行ったことで見えてくる痛ましい健康被害などの真実。また、事件当時の日米政府の対応や機密文書の存在も明らかに……。メガホンを取った伊東英朗監督は、東日本大震災以降の日本と「ビキニ事件」を重ね合わせ、「どうしても半世紀前に起こった被ばく事件を多くの人に知ってほしいと強く考えるようになった」と映画に込めた思いを明かした。その目に知られざる事実を焼き付けてほしい。(編集部・小松芙未)
映画『~放射線を浴びた~X年後』は9月15日よりポレポレ東中野(東京)、シネマルナティック(愛媛)で同時公開