「買ってみたい記憶人気投票」第一位は億万長者! 金がものをいう現実が浮き彫りに……!?
コリン・ファレル主演のSF大作『トータル・リコール』の世界では、金さえあれば記憶を買ってプロスポーツ選手やハリウッドスター、億万長者やお笑い芸人など、なりたいものになれるのだが、同作の「好きな記憶が買える世界を体感!」投票の一番人気は「億万長者が通帳の残高を見ている記憶を100万円以上で買う」というシビアな結果となった。
今回の投票は、誰もが憧れる代表的な四つの職業を設け、それぞれをいくらで購入するかをユーザーか選択するというもの。その結果、「億万長者になる記憶」を1万円以内、2~4万円、20~100万円、100万円以上のうち最高レベルの「100万円以上」に一番多くの票が集まったことから、頼れるものは「金」というリアルな現実が明らかになると同時に、人々が昨今の就職難や少子高齢化などによる将来に対する漠然とした不安を抱えていることがうかがえる。
次点が「ハリウッドの映画スター」、そして「お笑い芸人」。「お笑い芸人」に至っては、最も多かった投資金額のレベルが「1万円以内」で、「億万長者」とは一気に差が開いている。かつての子どもたちの夢は「野球選手」や「お笑い芸人」などバラエティーに富んでいたものの、先行きの見えない現在では大多数の人々が、スポーツ選手としての名誉や、ハリウッドスターやお笑い芸人としての人気よりも、「金がものをいう」と認識しているというのが現実なのだ。
そのような現実が投影された近未来社会を描いた、大ヒット作のリメイク版『トータル・リコール』では、コリン・ファレル演じるしがない工場労働者の主人公が、「007」のような工作員を夢見て記憶を買おうとする気持ちもよくわかる。彼はそこで初めて本来の自分の姿に気付くのだが、夢にまで見た憧れの誰かになれて、生涯一度のスリルを味わえるのなら、彼のように危険な冒険に出るのも悪くない!?(文:平野敦子)
映画『トータル・リコール』は8月10日より全国公開