クインシー・ジョーンズの娘、ラシダ・ジョーンズを直撃!離婚後も友人関係のカップル描いた新作とは?
クインシー・ジョーンズの娘として生まれ、テレビシリーズ「ザ・オフィス」や映画『ビッグ・ボーイズ しあわせの島を探して』、『ザ・マペッツ』などで活躍してきた女優ラシダ・ジョーンズが、新作『セレステ・アンド・ジェシー・フォーエバー(原題) / Celeste and Jesse Forever』について語った。
ラシダ・ジョーンズ出演 映画『ビッグ・ボーイズ しあわせの島を探して』写真ギャラリー
同作は、高校時代から付き合い始め結婚したセレステ(ラシダ・ジョーンズ)とジェシー(アンディ・サムバーグ)は、やがて二人の関係にすれ違いが生じて離婚してしまう。だが、二人はいまだに親友として頻繁に会っていたことから、彼らの友人が新たに異性を彼らに紹介し始めたことで、徐々に変化が訪れていくというコメディ調のドラマ作品。
俳優として出演するだけでなく、脚本も共同執筆した女優ラシダ・ジョーンズだが、どの程度彼女自身の恋愛実体験が含まれているのだろうか。「結構含まれているわ(笑)。個人的な実体験がなく、何の恋愛関係もなしにフィクションが書けるのなら、その人はきっと天才よ! だから、わたしと共同執筆したウィル・マコーマックは、実体験を基にしたり、友人のストーリーを許可を得てから執筆したの。この映画では、人が傷心してからどれくらいの時間を掛けて、また人を愛せるようになり、そして過去の恋愛を忘れようとするけれど、実際には忘れる必要性がないということを知っていくの」と語る通り、繊細な男女の思いがリアルに描かれている。
映画内では、セレステは成功しているキャリアウーマンだが、アンディはなかなか芽の出ないアーティストであることについて「近年は、女性が(男性のように)何でもできるようになってきたけれど、それとは逆に馬鹿げたTシャツを着て、ビデオゲームをしながら自宅でくつろいで、女性に対して何も決定できない男たちも増えているわ。それは、ある力としてこの世の中を動かしているけれど、世界中の女性にとっては良いことではないわ……。もちろん、繊細で男として夢を見ることも必要だけれど、女性たちも男たちにはある程度の責任を持ってもらって、仮に好きなことはさせても、男女の関係をはっきりさせる(結婚することや一人の女性を選択すること)バランスを図る必要もあるわ」と語った。最近のアメリカの男性も日本と変わりないところがあるようだ。
ラシダの両親である作曲家クインシー・ジョーンズと女優ペギー・リプトンからの影響については「わたしの両親は、偏見なく無条件で、常にわたしを支持してくれているわ。わたしがどんな決断を下そうと、それを支持してくれている。わたしたち家族が、自分たちがそれぞれ作り上げたものを語り合うことができる環境は、素晴らしいことだとも思っている。父親は、『心に従いながら自分の仕事を愛し、一生懸命仕事しなさい! そして、決して自分は何でも知っていると思うべきではない!』と言っていたわ。彼は音楽に対して60年経った今も同じ考えで、新たなことを探し続けているわ。そんな謙虚な態度と好奇心が、彼の素晴らしいところなの」と多くを両親から学んだようだ。
映画は、離婚したカップルが、今まで通りの普通の友人関係に戻ったものの、これまでお互いが依存してきていたために、お互いの新しい恋人まで気にしてしまうほど冷静ではいられない設定で、離婚した経験のある人だけでなく、恋人と別れたことのある人なら、共感できる点が満載の映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)