女優・原紗央莉が音信不通…最後の出演作は10月公開
女優の原紗央莉がヴィーナス像に扮(ふん)したファンタジー映画『ヴィーナス・イン・エロス 天使たちの詩歌(うた)』(今井孝子監督)の公開が10月20日に決まった。原は、東日本大震災直後に女優活動を停止しており、関係者によるとその後、音信不通の状態が続いているという。今後の予定が明らかではないため、現在のところ本作が最後の出演作ということになる。
映画『ヴィーナス・イン・エロス 天使たちの詩歌(うた)』フォトギャラリー
同作は、ロック・ミュージックや映画ジャーナリズム界で活躍し続けてきた今井孝子監督の長編映画監督・脚本デビュー作。ヴィーナス、ダヴィデ、エロスという三体の彫像に、人間の命が吹き込まれたことで起こる恋の悲劇を幻想的に描き、ダンスと音楽を融合させ無声映画的なアプローチを施した意欲作だ。
ダヴィデ役は世界的ダンサーのアラン・ヴィンセント、エロス役を演劇とダンスで活躍しているマーティン・コリンズ。そして、日本でも人気の高い少年ボーカルユニット・リベラが、美しい歌声で本叙情詩風映画に決定的な美しさを与えるなど、国際色の豊かさが特徴の一つに挙げられる。
7月に公開された『3D SEX&禅』でも話題をさらった原が、本作では彫刻でありながら夢で人間に変身するという難役に挑み、肢体も惜しみなく披露。写真からもわかるように、芸術性の高い世界観の確立にひと役買っている。巨匠・荒木経惟や篠山紀信の写真のモデルを務めたことで一躍有名になった原は、アイドル・タレント活動の引退、芸能界復帰を経て人気AV女優となり、近年は映画やドラマの世界で女優として大活躍していた。
本作のキャスト出演シーンの撮影は2010年6月中旬に行われたが、本当にこれが原の最後の出演作となってしまうのだろうか?(編集部・小松芙未)
『ヴィーナス・イン・エロス 天使たちの詩歌(うた)』は10月20日よりオーディトリウム渋谷にて期間限定レイトショー公開