高梨臨、カンヌ映画祭コンペ作主演体験振り返り、ベテラン俳優奥野匡と正反対のコメント連発!
15日、渋谷ユーロスペースにて映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』の初日舞台あいさつが行われ、主演高梨臨と奥野匡が登壇して、監督であるアッパス・キアロスタミとの撮影エピソードやカンヌ映画祭などでの思い出などを語った。
映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』はキアロスタミ監督が日本で撮影を行い、高梨、奥野、加瀬亮ら日本人キャストを使って作り上げた日本・フランスの共同製作作品。第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品にも選ばれ、国際的にも高い評価を得ている。
ステージに上がり、まず監督の印象を聞かれた奥野は「言葉が通じないからあまり話さなかった」と海外監督との撮影を率直に振り返った。「何か話しても監督は、素晴らしいとか、そんな言葉しか言わなかったんだよ」とコメント。
対照的に若い高梨は笑顔を交えて「わたしの場合は監督にいつもいじられたんです。へたくそって怒られたり。でも、監督はそうして逆に緊張をほぐしてくれたんだと思います」と監督とのコミュニケーションが豊富だったことを語り、奥野とは対照的なコメント。
先日、二人はそろってカンヌ映画祭へも出席したが、その印象を聞かれ、ここでも対照的な発言で会場を沸かせた。高梨のほうは「街もきれいだし、食事もおいしかった」とカンヌを振り返ったのに対して、奥野は「食事が合わなかった」と正反対な反応をいたずらっぽくするのだ。
さらに奥野は「僕は舞台を中心にやってきたから、カンヌへ行ってもカンヌ? という感じ。あまり感激しなかった。映画人だったら大変名誉に感じるんでしょうけどね」と続ける。
高野のほうは逆に海外のお客さんの反応について刺激的だったと話し、「ちょっとしたジョークでもみんな笑ってくれたりする。こういうのは日本ではあまりないなと思いました」とポジティブな印象で、奥野との印象の違いを楽しんでいた。
奥野はこの日、建前的な発言はほとんどせず、本音のトークを展開。現場でのことを振り返った際も「現場に行くと台本がない映画で驚いた。台本なしでやって、どうなるんだろうと思いながらやった。だけど、出来上がりを見たらちゃんと映画になっているんだ」とコメント。独特の奥野節で会場に強い印象を残していた。(取材・文 名鹿祥史)
映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』は9月15日よりユーロスペース他全国公開