サスペンス100時間放送決定!スリルの決め手となる6つの条件とは……?
一口にサスペンス映画といっても、その数はあまりにも膨大でタイプもさまざま、そこで同ジャンルに必要不可欠な要素である「スリル」を生み出すいくつかの条件やキーワードを紹介してみたい。
9月15日から9月29日にかけて、WOWOWでは「戦慄のサスペンス100時間!特集」と題してサスペンス映画の秀作52本を一挙オンエアする。サスペンス映画で、何よりも重要なのが結末の完成度。衝撃度が高いほど、満足度も高くなる。騙されたり、驚く快感を味わえるのは、このジャンルにしかない醍醐味(だいごみ)だ。
前科者コンビと彼らに誘拐された令嬢の攻防を活写した『アリス・クリードの失踪』は、「どんでん返し」の好例。緊迫したドラマが進む中で暴かれる、三人の抱えるとんでもない秘密には驚愕(きょうがく)すること必至。さらに、それを機に彼らの攻守が逆転しまくる展開にもハラハラさせられっぱなし!
主人公より、悪役に惹(ひ)きつけられることもサスペンス映画の特徴の一つだ。例えば、映画史の中でも名高い『ケープ・フィアー』でロバート・デ・ニーロ演じるマックス。不気味なタトゥーを入れた筋骨隆々の肉体に加え、法律のグレーな部分や人間心理の隙を突いて、自分を刑務所送りにした弁護士を挑発し、その果てに彼を裁かれる側に陥れる狡猾(こうかつ)さと冷徹さにゾ~ッ。また、人肉の味を覚えた巨大猪が登場する『人喰猪、公民館を襲撃す!』は、意思疎通ができない動物が相手ゆえに怖さも募るという変則パターンだ。
さらなるスリルを引き出すには、舞台となる場所や状況の設定も重要。突如として停止したエレベーターに男女5人が閉じ込められる『デビル』は、エレベーター特有の閉塞感やいわくありげなキャラたち、予測不可能にもほどがある展開もさることながら、極めて日常的な空間が非日常的空間へと変貌してしまう過程が恐ろしく、そのアイデアには感嘆する。
夏から秋へと季節が移り、すっかり夜が長くなってきたこの時期。ここで挙げたものを参考にするのはもちろん、自分なりのキーワードも見つけ出しながらサスペンス映画の秀作を堪能してほしい。(星メテオ)
映画『アリス・クリードの失踪』は、9月21日(金)午後11:00よりWOWOWシネマにて放送