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大林宣彦監督、3.11が大きな転機…映画『放射線を浴びた[X年後]』にエール。

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伊東英朗監督と大林宣彦監督がっつり握手!
伊東英朗監督と大林宣彦監督がっつり握手!

 16日、東京ポレポレ東中野で公開中のドキュメンタリー映画『放射線を浴びた[X年後]』の舞台あいさつに伊東英朗監督が出席し、普段から親交の深い大林宣彦監督をゲストに迎え、スペシャルトークセッションを行った。大林監督は本作を大きく評価しており、「後押しになれば」と応援のために駆けつけた。

 本作は、2012年に日本テレビ系「NNNドキュメント'12」で放送された「放射線を浴びたX年後 ビキニ水爆実験、そして」に、新しい映像を追加した劇場版。1954年にアメリカが行ったビキニ水爆実験。それによって被曝した、第五福竜丸をはじめとする日本の漁船とその船員たちや、人々の関心と歴史から消えてしまった第五福竜丸以外の被曝事例を追跡しながら、その裏に隠された日米両政府の機密などを浮かび上がらせていく。われわれがまったく聞かされていなかった驚くべき真実の数々。その事実は3.11福島第一原発事故後の日本に投げかける衝撃の告発となる。

 伊東監督は、水爆実験で被爆した漁師たちの存在を知り、「広島、長崎の原爆以外にも大規模な被爆事件があったという事実がなぜ知らされていないのか、その事実を知りたいと思った」と事件にかかわることになったきっかけを語った。約8年にわたる取材では、被災者へのインタビューでは辛い話に心を痛めながらも事件の実態を描きつづけてきたという。そして、映画化には3.11が大きな後押しとなったことを明かした。

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 一方、大林監督は「人が忘れたいと思うことや聞きたくないと思うことにマイクを向けるということはつらかったでしょうね」と伊東監督に同調し、ねぎらいの言葉をなげかけた。「僕らの仕事は歴史というものを平面に見つめて伝えて行かなければならない。どんなに遅くてもきちんとやらなくてはいけないことがある。今やるべきことは未来のためにやること。それは希望にもつながってゆく」と持論を展開。さらに、「知らないこと、知らされなかったことが多すぎる。国家を維持して行くためには国民が犠牲になるということもある。未来のために何が正しいんだろうかということを3.11で深く考えるチャンスをもらった。人にとってどういうことがいいのかということが声なってきている。希望をたぐり寄せようとするところに希望が見える」と3.11以後、放射能汚染への人々の関心が高まってきたことに安堵感を抱いた様子。

 福島第一原発事故後、放射能、死の灰への恐怖と不安は計り知れない今だからこそ、この映画により多くの関心を寄せて欲しい。(福住佐知子)

映画『放射線を浴びた[X年後]』は公開中

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