遅咲きのトム・クルーズ? ジェレミー・レナーの魅力に迫る!
『ボーン・レガシー』で主演を務め、人気急上昇中の俳優ジェレミー・レナーの魅力に迫った。
『ボーン・アイデンティティー』から始まった前3部作では、主演したマット・デイモンがアクション俳優としての知名度を上げたが、今作からヒーローを務めるのは、オスカー候補経験もある実力派ジェレミー・レナー。彼が演じる新キャラ、アーロン・クロスを主人公にした最新作『ボーン・レガシー』は、前シリーズと同時進行していたという設定で、暗殺者アーロンとCIAの死闘を描く。
昨年は『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に出演し、今年は『アベンジャーズ』で演じたホークアイ役で注目を浴びたレナー。すっかりアクションスターとして定着した感があるが、ここに至るまでの道のりはいばらの道だった。
役者としてデビューするも、まったく売れずにミュージシャンや内装業などを兼務しながら下積みしていたというレナー。2000年代からジワジワと出演作を増やしたが、2008年に主演した『ハート・ロッカー』がオスカーを獲得、自身も主演男優賞にノミネートされ、一気にブレイク。今年で41歳という彼だが、世でいう中年にしてアクションが切れる俳優として名を上げているところは、まるで遅咲きのトム・クルーズのようだ。実際、『ミッション:インポッシブル~』でも、長年トムが演じてきているイーサン・ハントと互角に張り合うエージェントを、軽々と演じてみせている。
そんな彼だからこそ、新キャラによるボーンシリーズのアナザーストーリーにも注目と期待が集まっている。今作の撮影では、何とバイクのチェイスシーンで、自ら体を張ったことが話題に。しかも、共演者のレイチェル・ワイズと相乗りしてのスタントという危険な撮影だ。さぞやドヤ顔で成功させたかと思いきや「僕だけなら多少のリスクは仕方ないけど、人を後ろに乗せるとなると責任があるから話が違う」と謙虚なコメント。遅咲きの苦労人ならではの控えめな姿勢と、カメラの前での大胆さのギャップが、近年ハリウッドで愛されている理由なのかもしれない。(文・よしひろまさみち)
映画『ボーン・レガシー』は9月28日より全国公開