『クレヨンしんちゃん』原恵一監督、実写映画初挑戦!生誕100周年木下恵介監督の実話描く!
映画『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』などの名作アニメーションを手掛けてきた原恵一監督が、木下恵介監督の生誕100周年を記念し、木下監督の実話を描く映画『はじまりのみち』で実写映画に初挑戦することが明らかになった。
本作の舞台は、第二次世界大戦中、戦意高揚の国策映画作りが要求された時代。1944年に制作した映画『陸軍』がその役割を果たしていないと次回作の製作を中止された木下監督が、松竹に辞表を提出し、静岡県浜松市の気賀から気田まで、「運送屋」と兄と自分の三人で、脳溢血で倒れた母を乗せたリヤカーを引いて17時間に及ぶ山越えをした実話を映画化する。
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』が『BALLAD 名もなき恋のうた』として実写映画化されるなど、アニメーションの枠を超えた感動作で観客の心を引き込んできた原監督。実写映画監督初挑戦にはためらいもあったことを明かすが、「個人的に木下作品をもっと観てもらえるようあちこちで声を上げていた」というほどの木下監督のファン。「こんなメモリアル企画は次にない」と監督を引き受けたことを明かす。
アニメーション映画監督で実写映画も手掛けた監督には、日本映画界では、押井守、庵野秀明、大友克洋などがいる。また、ハリウッド映画界では、『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』のアンドリュー・スタントン監督が『ジョン・カーター』、『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』のブラッド・バード監督が『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を手掛け、アニメで培ったCG技術などを駆使し、実写映画でも見事な手腕を発揮している。果たして原監督は、木下監督の実話を基にした叙情的な物語をどう仕立てていくのか?
67年前に木下監督がリヤカーを引いて歩いた道を、歩いてみたという原監督は、どれほど大変だったろうかとため息が出たことを明かし、木下監督が松竹に辞表を出し、監督を辞めていたという事実が、山越えの行為を特別なものにしていると感じたという。「このリヤカーのエピソードは後年、木下監督が描く作品の登場人物から受ける印象に近い」と原監督。映画のタイトルとなった『はじまりのみち』が、その思いを表しているようだ。(編集部・島村幸恵)
映画『はじまりのみち』は11月クランクイン、2013年2月完成、初夏公開予定