出産の理想と現実を赤裸々に描いたフランス映画『理想の出産』、日本公開決定!
映画『アデル/ファラオと復活の秘薬』でメガホンを取ったリュック・ベッソン監督に見いだされ主演に大抜てきされたルイーズ・ブルゴワンを主役に、出産の理想と現実を赤裸々に描いた映画『理想の出産』が、12月22日に日本公開されることが決定した。
妊娠、出産、子育て……それらは一見幸福に満ちあふれたものに思えるが、フランス国立統計経済研究所の発表によると、別れたカップルのうち25%が、第1子が生まれてすぐに別れているそう。そんな現実を「わたし自身が母親になったとき、一般的な母親像と、自分の体験がかけ離れていたのでとても驚きました。まるで、周囲がわたしに真実を隠していたかのような気分でした」と自ら痛感したエリエット・アベカシスの私的小説が映画化された。
メガホンは当初、子どもを持つ女性監督に委ねたいと考えていたが、橋渡しを頼まれたレミ・ブザンソン監督が「映画化に必要なのは、出産や育児体験のある女性監督ではなく、正反対の立場にいる監督、つまり僕がいい」と立候補。映画には、ブザンソン監督と脚本家ヴァネッサ・ポルタル、子どものいない二人の視点も取り入れられ、物語はより一層深みを与えられることとなった。
ルイーズ演じる本作の主人公バルバラは、哲学の博士課程に進んだ大学院生。一見お堅い彼女が、ビデオショップで出会ったイケメンのニコラと恋に落ち、妊娠、出産、子育てに立ち向かっていく。本作の魅力は、すべての始まりは、「結婚」でなければ「妊娠したこと」でもなく、「二人の男女が恋に落ちたこと」とばかりに描かれるロマンチックなラブストーリーから、物語がどんどん現実味を増していくこと。
妊娠すれば、女性はつわりに襲われたり、ホルモンのバランスが崩れて情緒不安定になるもの。やっと誕生したかわいい赤ちゃんも、あやしてもあやしても泣きやまず、まるでモンスターに見えることだってある。実際にそんな出産の現実に直面したとき、本作は、別れを防ぐ抑止力になる。男性にもぜひ本作を観てもらい、自分たちの『理想の出産』につなげてもらいたいところだ。(編集部・島村幸恵)
映画『理想の出産』は2012年12月22日より全国順次公開