『007 スカイフォール』の中国上映、検閲で一部シーンカット 字幕も改変
1月21日から映画『007 スカイフォール』が公開された中国で、検閲により一部のシーンがカット、また実際のセリフとは異なる中国語字幕が付けられていることがThe Hollywood Reporterにより明らかになった。
カットされたのは、フランス人殺し屋が暗殺を実行するため上海の高層ビルに忍び込んだ際、エレベーターロビーで中国人のセキュリティガードを撃つシーン。
また、ボンドがマカオのカジノに乗り込み、ベレニス・マーロウ演じるボンドガールと対面する場面では字幕が改変。彼女の入れ墨について、若いころに売春組織で強いられたものなのかを尋ねるセリフが、音声はそのままでマフィアに無理やり引きずり込まれたのかという内容の字幕に変更されているとのこと。
さらに、ハビエル・バルデム演じる、元MI6エージェントのラウル・シルヴァが、中国政府に引き渡されひどい拷問を受けたと告白するシーンでも、セリフの内容と異なる字幕が付けられているという。
当初、全米公開と同じ昨年11月に予定されていた中国での公開が遅れたのは、同月公開予定だった中国映画『バック・トゥ・1942(英題) / Back to 1942』や『ザ・ラスト・サパー(英題)/ The Last Supper』などが、『007 スカイフォール』とぶつかることで、年末の興行収入成績に打撃を受けないよう配慮したためだという。
シーンのカットや字幕の変更について、ソニーピクチャーズの中国代表はコメントを拒否している。(鯨岡孝子)