今最もオスカーに近いのはベン・アフレック『アルゴ』!DGA賞受賞で形勢逆転!
第85回アカデミー賞
ベン・アフレックがメガホンを取った映画『アルゴ』が、2日に発表された全米監督組合(DGA)賞を受賞し、また一歩オスカーに近づいたといわれている。
受賞作が非常に高い確率でアカデミー賞受賞作となるとされるDGA賞。これをベンが手にしたことにより、これまで小差のリードで首位を走っていたスティーヴン・スピルバーグ監督作品『リンカーン』と、2位につけていたベン・アフレック主演、監督作『アルゴ』の形勢が逆転した形となった。
『リンカーン』は、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞共に最多ノミネートを誇り、アカデミー賞最有力候補とみられていたが、ゴールデン・グローブ賞、全米俳優組合(SAG)賞でも最高賞を手にしたのは、『アルゴ』。これには、ベンがアカデミー賞監督賞にノミネートされなかったことにより、業界内で「ベンを応援しようじゃないか!」という風潮が生まれたことも影響しているという。いずれにせよ、現在最もオスカーに近い作品は、『アルゴ』といえるだろう。
『アルゴ』が『リンカーン』を破り、ゴールデン・グローブ賞、SAG賞を受賞したとき、全米はまるでスポーツの弱小チームが地区予選でドンデン返しの優勝を飾ったときのように盛り上がった。今回のDGA賞の受賞で、『アルゴ』への声援はますます高まる一方。そしてこれがアカデミー会員たちの投票に良かれ悪しかれ影響することは否めない。
64年にわたるDGA賞の歴史の中で受賞監督の作品がアカデミー作品賞を受賞した回数はなんと51回、その受賞率は79パーセントという統計が出ている。次のアカデミー賞前哨戦は、2月10日に発表される英国アカデミー(BAFTA)賞。これらの映画賞がアカデミー賞を決定づけるわけではないものの、アカデミー賞レースを盛り上げる要素となることは確実である。(文・ロス取材:明美・トスト / Akemi Tosto)