12歳の美少女主演女優に聞くアカデミー賞短編映画賞の最有力候補作品
今年のアカデミー賞短編映画賞にノミネートされている注目のアメリカ映画『リッチーとの一日 / Curfew(原題)』について、12歳の主演女優ファティマ・プタセックが語った。
本作は、風呂場で自殺を図ろうとしたドラッグ中毒の男リッチー(ショーン・クリステンセン)は、ドメスティック・バイオレンスを受けていた姉から電話で連絡を受け、彼女の娘ソフィア(ファティマ・プタセック)の面倒を数時間だけ見ることを任される。リッチーは不本意ながらも、姪であるソフィアによって、人生に希望を持ち始めていくというドラマ作品。映画『ミッシング ID』で脚本を執筆したショーン・クリステンセンが、主演/脚本/監督を担当している。
ファティマがこれまで出演した作品について「わたしはまだ12歳だから、小さな役で2、3作の大作に出演したくらいなの。その中にはキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演の映画『理想の彼氏』や、ロバート・デ・ニーロ主演の映画『みんな元気』などもあるの。でも、今回の作品がおそらく一番注目されそうよ!」と喜んでいた。
俳優を始めたきっかけは「演技を始めたのは5歳のころで、最初はモデルやCMをしていたんだけれど、CMをやる度にカメラの前で演技をしたいと思い始めたの。それからはオーディションに参加し、テレビシリーズにも出演するようになって、今は映画に出演する機会も増えてきたわ」と答えた。
主演/脚本/監督を務めたショーン・クリステンセンについて「今回、彼はこの場に来られなくて、今はL.A.に居るけれど、主演/脚本/監督を担当したショーン監督をすごく尊敬している。なぜなら、監督するだけでもストレスがたまるなかで、現場で脚本を修正したり、さらにわたしが演じやすい環境を作りながら、演じることに対応していたから。彼以外には、プロデューサーのマラ・カシンも素晴らしくて、このようなクルーたちと仕事ができて良かったと思っているわ」と感謝していた。
オスカーのノミネートについて「本当にすごいことだと思う。(短編だけれど)これほどまで騒がれるとは思わなかった! オスカーの授賞式では、最年少で主演女優賞にノミネートされた映画『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』のクヮヴェンジャネ・ウォレスにも会ってみたい!」と語った。
現在、彼女はアメリカで13年続いているアニメ番組「ドラ・ジ・エクスプローラー(原題) / Dora the Explorer」で主役ドラの声優も担当している。あどけない表情の中に、大人びた意志を持っている彼女は、ますます注目される女優になりそうだ。
なお本作は、横浜みなとみらいにあるブリリア・ショートショートシアターで、2月18日から3月15日まで、上映されることが決定している。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)