小津安二郎『東京物語』10年ぶりベルリンで上映 特別ポスター公開
小津安二郎監督が1953年に発表した名作映画『東京物語』で、第63回ベルリン国際映画祭用に制作されたポスターが公開された。本作は、小津監督の生誕100年記念の年であった2003年に上映されて以来10年ぶりに、ベルリン国際映画祭で上映されることが決定していた。
日本では、山田洋次監督が『東京物語』にオマージュをささげて制作した映画『東京家族』が公開された今年。ベルリン国際映画祭では、過去に木下恵介監督の映画『二十四の瞳』、大島渚監督の映画『儀式』も上映されたベルリナーレ・スペシャル部門で『東京家族』が上映され、今年から創設されたベルリナーレ・クラシックス部門で『東京物語』が上映されることが発表されていた。
今回公開された第63回ベルリン国際映画祭用の『東京物語』のポスターには、笠智衆が演じた平山周吉と、原節子が演じた周吉の次男の嫁・紀子が、周吉が暮らす尾道で共に朝日を見るシーンが使用されている。山田監督の映画『東京家族』の第63回ベルリン国際映画祭用ポスターには、日本公開時に使用されたものと同じく、家族の集合写真が使用されているのだが、『東京物語』と『東京家族』のポスターを見比べてみると、時代の移り変わりを見つめているようでもあり、興味深い。
『東京家族』でメガホンを取った山田監督は、ベルリン国際映画祭とは縁が深く、2010年に特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラを受賞したほか、『たそがれ清兵衛』以来、7作連続で同映画祭への出品を決めている。なお、今年はスケジュールの都合で山田監督のベルリン入りの予定はないとのこと。(編集部・島村幸恵)
映画『東京家族』は全国公開中