アカデミー賞候補のパレスチナ人監督、拘束される 授賞式出席のため訪米
第85回アカデミー賞の候補に挙がっているパレスチナ人監督のイマード・ブルナートが、授賞式出席のためアメリカに入国しようとした際に一時拘束されていたことが明らかになった。ブルナート監督は、共同監督と撮影を担当した映画『壊された5つのカメラ』がドキュメンタリー長編賞にノミネートされている。
イマード・ブルナート監督の映画『壊された5つのカメラ』フォトギャラリー
TMZ.comの取材に応じたブルナート監督は、ロサンゼルス国際空港で同行した家族とともに別室に拘束され、尋問を受けたことを告白。本当にアカデミー賞授賞式に出席するのかと疑われ、強制送還すると脅されたことも明かした。拘束は90分にも及んだという。
また、ブルナート監督の友人で、映画『華氏911』などで知られるマイケル・ムーア監督は、ブルナート監督が遭った災難の一部始終をツイッターで暴露。「アカデミー賞候補になっているというだけじゃ、入国はできないんだろうね」と当局の対応を痛烈に皮肉ると「パレスチナ人が候補に挙がることを理解できなかったんだろう。ブルナートは僕にメールで助けを求めてきたよ」とコメントした。
パレスチナ映画が同賞のドキュメンタリー長編賞にノミネートされるのは史上初めてのこと。ブルナート監督にとって晴れの舞台となるはずだったアカデミー賞授賞式だが、その第一歩からけちがついてしまったようだ。(編集部・福田麗)