航空ファンも納得の機体の完成度!飛行機映画、人気の秘密
デンゼル・ワシントンがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたことでも話題になった映画『フライト』など、「飛行機を舞台にした映画にハズレなし」といわれるほど人気ジャンルの一つである、飛行機映画の人気の秘密に迫った。
『フライト』は、ある飛行機事故を発端に、そのパイロットの行動を描くことで「本当の正義とは何か」という問いを観る者に突き付けるヒューマンドラマ。美術監督のネルソン・コーツは、リアリティーを大切にするために航空会社の協力の下、現存する航空機に手を加えて劇中で使用する航空機体を開発した。その完成度は外観、客席、コックピットに至るまで本物にしか見えないほどの仕上がりになっている。
この『フライト』のように、航空会社の取材協力を受けるなど、綿密な取材を基に制作された飛行機映画は多い。そのリアリティーが作品の質を上げ、多くの人が楽しめる作品を作り上げているのだ。
空港や飛行機内の場面が数多く登場する『マイレージ、マイライフ』の撮影にはアメリカン航空が全面協力。実際にデトロイト・メトロポリタン国際空港が使用されており、パイロット、キャビンアテンダントがエキストラとして撮影に参加している。
邦画でもそれは同じで『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口史靖監督が、航空業界で働く人々の姿を描いた『ハッピーフライト』は、ANA(全日本空輸)の全面的な協力を受け、機内のシーンは本物のジャンボジェット機、ボーイング747-400機内で行われたという。また、旅客機に限らずアメリカ合衆国大統領専用機・通称「エアフォース・ワン」を舞台にしたハリソン・フォード主演のアクション映画『エアフォース・ワン』では、本物の大統領専用機VC-25の機内取材を行い、それを基に撮影用の機体を作り上げた。
飛行機映画の面白さを作り上げている要素の一つは間違いなく機体のリアリティーだ。劇中に登場する航空機や空港に注目して鑑賞してみるのも一興だろう。(編集部・堀達夫)
映画『フライト』は全国公開中