「ドラゴンボール」野沢雅子、鳥山明との思い出は家宝!悟空オーディション振り返る
世界中にファンを持つ大人気コミックの17年ぶりの劇場版アニメ『DRAGON BALL Z 神と神』で、主役の孫悟空を演じる野沢雅子が、原作者の鳥山明について語った。
本作は「ドラゴンボール」のアニメとしては初めて、原作者の鳥山が「原作・ストーリー・キャラクターデザイン」としてクレジットされている。脚本の段階から深く関わったという鳥山は「今回の映画は、オリジナルの雰囲気はそのままに、ほんの少しだけ味付けを現代風にして、昔どおりの楽しい娯楽作品になると思います」と語っている。
また、テレビシリーズ第1話から主役の孫悟空を演じ、その息子の悟飯、悟天と3役を自在にこなす野沢は、「鳥山先生が最初から携わってくださっていると聞いて、『やったじゃん!』と思いました」と大喜び。「『ドラゴンボール』の悟空の役はオーディションで決まったんですが、当時先生がわたしの声を聞いて『悟空はこの人の声』と言ってくださったんだそうです。わたしの中でそれは家宝ですよ」と弾んだ声を出す。今や大ベテランの野沢だが、「ドラゴンボール」がその軌跡で大きな位置を占めているのは間違いない。
物語は、魔人ブウとの壮絶な戦いから数年後の、これまで語られなかった時間を埋める完全オリジナルストーリーとなり、「テーマは愛。誰もが驚く衝撃の展開があります」と野沢。またゲスト声優として、「尊敬する人は悟空」と公言するロンドン五輪柔道女子57キロ以下級の金メダリスト・松本薫、大のシリーズファンとして知られる中川翔子も出演する。
「『ドラゴンボール』が愛に満ちた作品なのは、鳥山先生自体が愛に包まれた方だからだと思います。とてもシャイな方で、めったにパーティにもいらっしゃらないですけど、いらしたときもスーツ姿は見たことないんですよ。別室でお話させていただいたりしますけど、そのときもとても優しくて、本当に神様だと思います」と野沢は感慨深げだった。
三役を瞬時に演じ分け、同時収録で三役の会話もしてしまうという野沢自身も、中川をはじめファンから「神」と呼ばれている。まさに神と神とのコラボレーションが作り出す、「神と神」の物語。究極の「ドラゴンボール」を観ることができそうだ。(取材・文:早川あゆみ)
映画『DRAGON BALL Z 神と神』は3月30日より全国公開