Jリーグ×SSFF&ASIA、被災地舞台の『旅するボール』製作 Jリーグ20周年記念特別ショートフィルム
発足20周年を迎える日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」と、俳優・別所哲也が代表を務めるショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF&ASIA)がタイアップして製作した、Jリーグ20周年記念特別ショートフィルム『旅するボール』の完成披露記者会見が1日、東京・JFAハウスで行われた。
会見に出席した別所とJリーグ大東和美チェアマンは、作品の完成を喜ぶとともに、「世界中の人に観てほしい」とアピール。また、同作のメガホンを取った大川五月監督や出演者の中嶋朋子、平畠啓史らも登場し、舞台となった宮城県で実際に東日本大震災の被害を受けた方が暮らす家や、家を流された後に作られた畑、Jリーグ・ベガルタ仙台のホームグランドであるユアテックスタジアム仙台で撮影したことを明かした。
大川監督は、被災して民間の借り上げ住宅に暮らす方からサインを頼まれたことに触れ、「『復興して次の家を買うときに、これだけは必ず持っていこうと思って買ったんです』という大きな冷蔵庫にサインさせていただきました。その冷蔵庫が、諦めない象徴のように感じました」と映画のテーマともつながるエピソードを披露。
中嶋は、この作品に出演して印象深かったことについて「スポーツと芸能(映画)という、どちらも人を高揚させる力を持つものが(今回の作品で)一つになりました。この作品を通じてJリーグや宮城の人たちと触れ合ったことで、自分が今までいかに限られた狭いフィールドにいたかを実感しました。これを機に、今までと違ったフィールドともつながっていきたい」とコメント。この日はほかに、西畑澪花、神尾佑が出席した。
『旅するボール』は、12歳の少女・小雪が誕生日を迎える父親のために、津波で流されてしまった父の思い出の品・高校時代の寄せ書きボールを作り直そうと旅をする姿を通じて、少女の成長やサッカーをきっかけにつながっていく人々の思い、友情を描く物語。主題歌「If」は、宮城県仙台市在住のMONKEY MAJIKが手掛けている。(山下千香子)
Jリーグ20周年記念特別ショートフィルム『旅するボール』は5月23日より開催のショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2013にて上映