ザック・エフロンを直撃、農家の家族を描いた新作とは?
テレビ映画「ハイスクール・ミュージカル」や映画『ペーパーボーイ 真夏の引力』などで知られる若手人気俳優ザック・エフロンが、現在開かれているトライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival 2013)で、新作『アット・エニー・プライス(原題) / At Any Price』について語った。
同作は、大農場を経営するヘンリー・ウィップル(デニス・クエイド)は事業を拡大するために反抗的な息子ディーン(ザック・エフロン)に家業を手伝うよう指示するが、経営に興味のないディーンは、カーレースに夢中になっていく。それでも、経営の利益が順調だと思っていたある日、経営に不信な点を感じたアメリカ食品医薬品局の調査対象となり、家族崩壊の危機に直面するというドラマ作品。監督は、映画『チョップショップ ~ クイーンズの少年』、『グッバイ ソロ』のラミン・バーラニがメガホンを取っている。
デニス・クエイド演じる父親ヘンリーについて「冷酷なやり方で近所の農家を利用して利益を得て、家族を養おうとしているけれど、そんなやり方を知っている僕が演じる息子ディーンとの関係は、崩壊しつつあるんだ」と父親と息子の関係に焦点が置かれていることを語った。
今作では農業が描かれているが、ザックの育った環境もこの映画と似ていたそうだ。「僕が育ったカリフォルニア州のサンルイスオビスポには農場がたくさんあり、農業が発達していて、周りの友人たちの間では、親や家族の農業を将来継ぐ話をしていたよ。学生時代には牛や豚の育て方を学んだこともあった。だから農業を営む家族の状況がよく理解できるんだ。実際の僕の家族は、それほど大きな農場を所有していなかったけど、僕が学生時代に演劇の勉強を始めたときは、周りから白い目で見られたことがあったよ(笑)」と語り、さらにカーレースに関しては「僕の父親がサンタマリアで行われていたカーレースに、年に1度連れていってくれたからけっこう記憶に残っている。レースカーの爆音に圧倒されたよ」と当時を振り返った。
映画内ではディーンがある事件を起こし、父親との関係に変化が訪れる。「ディーンがある事件を起こしてしまい、その場所にヘンリーも居合わせ、最初は二人ともその場で立ち尽くしてしまうほど、(その事件によって)自分たちを見失ってしまうんだ。だが、そのときディーンは父親が自分を犠牲にしてまで、味方についてくれたことに気付く。そして、その選択が唯一家族ができる選択になっていくんだ」と明かした。
映画は、現在の農業経営の多角化に触れ、さらに自分を押し通してきた父親が家族崩壊の危機に直面し、何が大切か学ばされていく経緯が興味深く描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)