『死霊のはらわた』ついに公開!リメイクブームのホラー界は意外に傑作続出?
映画『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ監督が自身の出世作を新鋭監督に託した、リメイク版『死霊のはらわた』が日本公開を迎えた。近年のホラー映画界で次々とリメイクされるホラー作品の数々。代表作を振り返りながら、その魅力を考察してみたい。
2000年代はホラー映画界がリメイクブームに沸いた時期でもある。リメイクというと、フレッシュな魅力への期待と共に企画力のなさが批判されがち。しかもこの時期は映画『ハロウィン』『悪魔のいけにえ』『13日の金曜日』など、肩を並べるのが難しいことは明白な、ホラー映画の金字塔のリメイクが続いた。
しかしホラー映画への造詣の深いロブ・ゾンビ監督によるリメイク版『ハロウィン』は、地に足の着いた演出や優れた映像センスにより良質なホラーとして十分鑑賞に耐える作品となり、続編も製作。また『悪魔のいけにえ』を徹底したシリアス描写でリブートした『テキサス・チェーンソー』もパワフルな一本。こちらもさらにグロさと狂気を増した続編『テキサス・チェーンソー ビギニング』を生んだ。7月にはオリジナルの正当な続編となる3D映画『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』も公開される。
さらに『ハイテンション』のアレクサンドル・アジャ監督が、ホラー映画界の巨匠ウェス・クレイヴン監督の『サランドラ』をリメイクした『ヒルズ・ハブ・アイズ』。こちらは砂漠の真ん中で食人集団に襲われる恐怖描いた物語を、とにかく容赦ない残虐描写でよみがえらせ、オリジナルよりはるかに面白いという声も多い。ちなみにこちらも続編が製作されている。
そこにきての『死霊のはらわた』だ。1985年に日本公開されたオリジナル版は、ある別荘で復活した死霊が若者たちを血祭りに上げ、一人の青年アッシュがこれに立ち向かうというシンプルなストーリー。しかしその中に、残酷描写やコメディー、アクション要素をこれでもかと詰め込んだ、まさに限界突破、ライミ監督の情熱が凝縮された作品だった。新鋭フェデ・アルバレス監督はそんな傑作を、CGを一切使用しないリアルで徹底した残虐描写でリメイク。さらに続編企画も進行しているというだけに傑作の可能性は高い? 果たしてホラー映画ファンから喝采を持って受け入れられるのか。その出来をぜひ劇場で確かめてほしい。(編集部・入倉功一)
映画『死霊のはらわた』は全国公開中