アバクロはデブお断り XL以上の女性服は作らないポリシーに非難
人気ブランド、アバクロンビー&フィッチは自社広告に出ているモデルのような体をした人以外にアバクロの服を着てほしくないという。
小売業界のアナリスト、ロビン・ルイス氏によると、アバクロのCEOマイク・ジェフリーズ氏は、太った客には同ブランドの服を買ってほしくなく、細く、美しい客しか求めていないと、共同著書「ザ・ニュー・ルールズ・オブ・リテイル(原題) / The New Rules of Retail」のためのインタビューでBusiness Insiderに語っている。
それを証明するかのように、アバクロはXサイズまでしか女性服を作っていない。男性服ではXL、XLLがあるが、これは太った人のためではなく、フットボールやレスリング選手など筋肉隆々の人のためらしい。
実際、ジェフリーズ氏は2006年のインタビューで美しい人のみをターゲットにしているとコメント。「だからルックスのいい店員を置いているんだ。ルックスのいい人は同じような人を呼び寄せる効果がある。それ以外の人に売りたいとは思わない」と断言している。
「どの学校にもクールで人気者のグループがいる。はっきり言っておこう。僕らはその人気者をターゲットにしているんだ。魅力的で、友達が多く、態度のいいアメリカ人らしい子たちを狙っている。我がブランドを着るに値しない人は多い。排他的かって? もちろん」と堂々とコメントしたのだ。
また、「売上に苦労しているアパレル会社は若者、老人、デブ、痩せと全員をターゲットにしているからいけないんだ。誰も除外しないということは誰も興奮させられないことにつながる」と語り、ターゲットを絞っていることに全く悪気を感じていないようだ。
売上よりもイメージを重視しているのは2011年の「JERSEY SHORE」騒動からも見て取れる。当時、全米一の視聴率を誇るMTVのリアリティー番組「MTV JERSEY SHORE ~マカロニ野郎のニュージャージー・ライフ~」に出演しているマイク・“ザ・シチュエーション”・ソレンティーノがアバクロの服を愛用し、画面に度々登場していたことでアバクロは「うちのブランドを着ないでくれれば金を払う」とオファーを出すほどイメージが損なわれることを嫌った。
プラスサイズが主流のアメリカで、排他的なアバクロの姿勢には非難が集中しているという。(澤田理沙)