J・J・エイブラムス、新『スター・トレック』誕生の秘密は『スター・ウォーズ』にあり!
海外で大ヒットを記録している映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のJ・J・エイブラムス監督が、同シリーズ誕生の裏に『スター・ウォーズ』があったことを明かした。2015年の新『スター・ウォーズ』監督に決定しているエイブラムスだが、2009年の第1作『スター・トレック』製作時には『スター・ウォーズ』を反面教師にしていたという。
かねてより、スティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカスといった映画監督の作品からの影響を公言しているエイブラムス監督。『スター・トレック』を新たに映画化すると決まったときも、かつて自身が夢中になった彼らの作品を参考にしたと明かす。それは言葉にするのならば、「アクション、アドベンチャー、スリラーの要素があり、なおかつロマンチックで恐ろしく、予想もできないような作品を目指したんだ」とのこと。
その一方で、先達が犯したミスを避けることも忘れなかった。その一例としてエイブラムス監督が挙げたのは、1999年の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』から始まる『スター・ウォーズ』新3部作だ。新3部作は、1983年までに製作された旧3部作の前日譚(たん)として製作され、オビ=ワン・ケノービをはじめ、旧作に出てきたキャラクターも重要な役割を果たしている。
「『スター・ウォーズ』新3部作と僕が監督した『スター・トレック』には似たような問題があるんだ。それは前日譚という設定にしたせいで、観客が結末を知っているという問題だ。例えば、新3部作ではユアン・マクレガーが演じる若いオビ=ワンが生死を懸けた戦いに赴くけれど、旧3部作でアレック・ギネスが老いたオビ=ワンを演じたことを知っている僕たちは、オビ=ワンが死なないことをわかってしまっているんだ」と指摘する。
1966年にスタートして以来、すでにさまざまなシリーズが製作されている『スター・トレック』にも同様の問題があったが、エイブラムス監督は、2009年の新作を違う時間軸に位置する物語、つまりパラレルワールドで展開する物語にすることで解決した。「そうすることによって、これまでのシリーズを知っているファンにも先が読めないストーリーを作ることができた。新作『イントゥ・ダークネス』ではものすごくダークな要素も入り込んでくるけど、そこで観客は今度こそ誰か死ぬかもしれないとドキドキするだろうね」とエイブラムス監督は自らの仕掛けに満足げな表情を浮かべていた。(編集部・福田麗)
映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は8月23日より全国公開