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大ヒットインド映画『きっと、うまくいく』日本人共感の秘密は、植木等のなんとかなるさ精神?

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いとうせいこうとスチャダラパーのBOSE
いとうせいこうとスチャダラパーのBOSE

 25日、シネマート新宿でインド映画歴代興行収入ナンバーワンを記録した映画『きっと、うまくいく』のトークショーが行われた。同作を2010年の第3回したまちコメディ映画祭で上映(公開当時の邦題は『3バカに乾杯!』)し、公開にあたり字幕を監修した作家でクリエイターのいとうせいこうと、同作の大ファンというヒップホップグループ・スチャダラパーBOSEがその魅力を語った。

映画『きっと、うまくいく』場面写真

 現在ハリウッドならぬボリウッドとして世界中にブームを巻き起こしているインド映画。その中でも本国で歴代興行収入ナンバーワンを記録した同作は、スティーヴン・スピルバーグ監督やブラッド・ピットも絶賛しハリウッドでもリメイクが決定。日本でも、ぴあ初日満足度で第1位(5月20日)、Yahoo!作品レビューでも4.55点(5月25日現在)を記録するなど、高い評価を受けている。

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 ぴあの出口調査では20代から80代と幅広い客層が確認されており、この日も劇場内はカップルや夫婦など幅広い年代層で満員。立ち見客が出たほか、上映後には自然と拍手が沸き起こる盛況ぶりだった。この現象と人気の秘密に、いとうは同作のストーリーの豊さや脚本・構成の緻密さのほか、劇中で主人公たちが直面する社会的背景が日本と重なることを指摘し、「貧構層の生活にシーンにジンとくる年齢の人も来ていると思うし、高度成長期の後の学歴社会の重圧に苦しめられてきた世代も来ていると思う。あらゆる層にぶつかるようにできていると思う」と分析した。

 そんな社会の厳しさがユーモラスに描かれているのも本作の魅了の一つで、BOSEといとうは「植木等と同じようだ」と口をそろえて絶賛。いとうは「クレイジーキャッツの『その内なんとかなるだろう』という無根拠な軽さがある」と切り出し、「ひょっとしたら僕らが今ぶつかっている問題も、こういう風にやれば何とかできるかもしれないって思えるんです」と同作の持つ底抜けな明るさに共感。最後は二人そろってポスターのポーズを取るなど、和気あいあいとイベントを盛り上げていた。

 同作は真の友情や幸せな生き方、競争社会への風刺を描いたヒューマン・ストーリー。インドのエリート大学で友人たちと青春を謳歌(おうか)していた主人公が突然姿を消した謎と理由を、10年という年月を交錯させながら、抱腹絶倒のユーモアとストレートな感動を交えて解き明かしていく。(取材・文:中村好伸)

映画『きっと、うまくいく』はシネマート新宿ほか全国公開中

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