ピクサー新作の超リアルな映像が公開!本当にアニメなの?
映画『トイ・ストーリー』シリーズで知られるピクサーの新作短編アニメ『ブルー・アンブレラ』の特別映像が公開され、まるで実写と見まがうような超リアルな映像の一部が明らかになった。雨が音楽を奏でる街角での「傘」同士の恋を描いた同作は、7月6日より公開される映画『モンスターズ・ユニバーシティ』と同時上映される。
ピクサーといえば、長編アニメーションだけでなく、劇場で長編の上映前に観ることのできる短編映画にもファンが多い。そんなピクサーの新作短編『ブルー・アンブレラ』より今回公開されたのは、「青い傘」と「赤い傘」が初めて出会うシーン。そのロマンチックな邂逅(かいこう)も見どころだが、何よりも目を引くのは、まるで実写かと思うほどリアリティーをもって作り上げられた街、そして雨の描写だ。もちろんこれらの映像は実写ではなく、全てCGで描かれているのだが、それを知ってもなお「実写なのではないか?」と自分の目を疑ってしまうという人は多いだろう。
そんな本作の監督を務めたのは、映画『カーズ2』『トイ・ストーリー3』にもスタッフとして参加したサーシャ・アンセルド。「CGアニメーションには『アニメーション映画はこうあるべき!』という先入観がある」というアンセルド監督は、本作でアニメーションの常識を覆すかのような、史上最も実写に近いアニメーションの描写に挑戦した。それも単にきれいな映像を見せるためだけのものではなく、ストーリー上の必然によって導かれた選択だ。
「都会が雨によって魔法のような場所に変わる。魔法のような要素を、奇跡の瞬間を強調するためには、マジカルな世界に入る前に現実的な世界をしっかり描くことが重要だった。世界を漫画的に描写してしまってはこの効果が得られない」とはアンセルド監督の言。だがそういった小難しいことは抜きにしても、本作の魅力は観た人ならばすぐわかるはず。それは大人も子どもも関係がない。その意味で、まさにアニメーションを観る喜びが凝縮された一本といえそうだ。
普段目にしているような、何の変哲もない街角に命が吹き込まれ、人間たちのあずかり知らぬところで展開される「街」の、そして「傘」のラブストーリー。『トイ・ストーリー』で長編CGアニメーションという新たな映像世界を切り開いたピクサーが、またもアニメーションの新たな可能性を追求した本作は、これからの雨の季節にぜひ観てもらいたい作品になっている。(編集部・福田麗)
映画『ブルー・アンブレラ』は7月6日より全国公開 『モンスターズ・ユニバーシティ』と同時上映