低予算ホラー作品が『ワイルド・スピード』新作の3週連続トップを阻止! -6月10日版
全米ボックスオフィス考
イーサン・ホーク出演の新作ホラー映画『ザ・パージ(原題) / The Purge』が、3,406万ドル(約34億600万円)をたたき出し、2週連続トップだった映画『ワイルド・スピード EURO MISSION』を第2位に突き落とした。(1ドル100円計算)
興収だけ見るとそんなに珍しい数字ではないが、この映画は300万ドル(約3億円)という低予算で製作されており、マージンを考えると製作側にとっては大成功の作品といえる。
第2位は、3週目にしてトップを明け渡すこととなった『ワイルド・スピード EURO MISSION』で1,963万ドル(約19億6,300万円)。先週から44.2パーセントダウンといえど、すでに興収は2億ドル(約200億円)を超え快走を続ける本作は、近いうちに前作の興収記録を塗り替えシリーズ中最高のヒット作になると推測されている。
代わって第3位は、先週からワンランク落ちの映画『グランド・イリュージョン』で1,904万ドル(約19億400万円)。35.1パーセント興収減ではあるものの、大作がしのぎを削る夏の興収バトルにおいては悪くない成績だ。
初登場第4位に甘んじたのは、映画『ザ・インターンシップ(原題) / The Internship』で1,733万ドル(約17億3,300万円)。映画『ナイト ミュージアム』シリーズのショーン・レヴィ監督の作品で、ヴィンス・ヴォーン、オーウェン・ウィルソンが共演しており、3,366館という公開規模の割には、やや苦戦ぎみ。ちなみに、映画ファン批評サイトのシネマスコアではB+となっている。
トップ5の最後を飾ったのは、先週と変わらぬ第5位で頑張ったアニメ映画『エピック(原題) / Epic』で1,188万ドル(約11億8,800万円)。6月21日に、人気シリーズの最新作となる映画『モンスターズ・ユニバーシティ』が封切られるまでは、今のペースを維持できそうだ。
さて今週末は、映画ファン待望のスーパーマン最新作となる映画『マン・オブ・スティール』が全米4,200館以上で公開予定となっており、ランキングでも首位を獲得することはほぼ確実とみられている。そして、雄々しくもスーパーマンに対抗するのが、コメディー映画『ディス・イズ・ジ・エンド(原題) / This is the End』。水曜日に一足先の公開となるが、『マン・オブ・スティール』とは毛色の違うドタバタコメディーということで、異なるタイプの映画ファンが劇場に足を運び、なかなかの興収をたたき出せるかもしれない。(ロス取材・文:明美・トスト/Akemi Tosto)