「鉄人28号」「マグマ大使」「パトレイバー」ギレルモ・デル・トロ監督が明かす日本愛!
巨大怪獣とロボットのバトルを描くSF大作『パシフィック・リム』を手掛けたギレルモ・デル・トロ監督が、本作に込めた思いと、「ぜひ住みたい」という日本への愛を語った。
「これまで巨大なメカと怪獣が一緒の映画はなかった。『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』は巨大だけど、必ずしもメカとかロボットじゃない」というデル・トロ監督。本作ではその「二つの信じられないぐらい壮大でパワフルなものがお互いにぶつかり合う」部分が気に入っているという。「そこには詩的なものがある。そのスケールでやると言葉では説明できない詩的なものがね」
監督は幼少時にメキシコで日本のアニメを観て育った。大好きな作品に「鉄人28号」を挙げ、「鉄人はいつも腕や足を失い、体の中を開けて修理されるよね。それと同じシーンがこの映画の中にも出てくる」など影響を受けた作品に言及。押井守監督の「機動警察パトレイバー」について「とても重要で、リアルな戦術的感覚をもたらしてくれた」と語り、「マグマ大使」など、無意識に染み付いた日本の影響を明かした。
その日本からは、菊地凛子と芦田愛菜が出演。人型巨大兵器イェーガーのパイロットを演じる菊地は、男性キャストが弱音を吐く撮影でも、一言も文句は言わなかった。デル・トロ監督は「凛子の美しさはとても親しみやすいんだ。それに彼女の見せる感情は本物だよ」とその才能を絶賛。芦田にも「恐ろしいぐらいうまい」「僕が仕事をした最高の役者の一人」と称賛の声を惜しまない。「感情を表現してくれる本物の女優が欲しかった」という監督の要求に、二人とも見事に応えたようだ。
現在、浦沢直樹の漫画「MONSTER」のドラマ化を進めているデル・トロ監督は、日本の作家たちへの尊敬を隠さず、また娘を「日本の神話や昔話で育てている」と言うほど。2015年以降、何年か日本に住みたいと希望しているという。
そんな監督にとって、「僕が12歳のときに夢見た映画。それを48歳で作っている」本作は、これ以上、映画作りで美しい時間を過ごしたことはないと断言する一本。「僕の人生で最もハッピーなことの一つだよ」と本作が特別に思い入れのある作品であることが伝わってきたインタビューだった。(編集部・入倉功一)
映画『パシフィック・リム』は8月9日より丸の内ピカデリーほかで3D / 2D同時公開