ブルース・リーが没後40年の今でも愛されるワケとは?
7月20日で没後40年を迎えるにあたり、日本でもその若かりし日を描いた伝記ドラマ『李小龍 マイブラザー』が公開されるなど注目される伝説のカンフースター、ブルース・リーの魅力を今一度探ってみた。
カンフー映画をメジャーにした、言わずと知れた世界的スターのリー。イップ・マンに詠春拳を学んだリーは自らジークンドーを確立した武術家であるとともに、幼い頃から映画に出演するエンターテイナーでもあった。しかし、32歳という若さで急逝。活躍した期間は短いが、ジャッキー・チェンらに道を開き、また『キル・ビル』や『ファイト・クラブ』でもリーへのリスペクトが見られるなど、カンフースターとして、ポップアイコンとして、その存在は後進に計り知れないほどの影響を与えている。
リーの魅力は何といっても唯一無二の格闘スタイル。世界に認められた『ドラゴン危機一発』では信じられないほどのスピードで繰り出される蹴りはもちろん、残酷な攻撃シーンにも目を奪われずにいられない。リーのアクションとカンフー哲学を鏡の間のシーンに昇華させた代表作『燃えよドラゴン』や、未完成ながらクライマックスの塔のシーンが必見である『ブルース・リー 死亡遊戯』といった作品も、時を超えて観る者を熱くする傑作だ。
また、エネルギーほとばしる演技も魅力の一つだろう。挑発するかのようなあごを突き出したしぐさや、相手を威圧する叫び声“怪鳥音”といったリー独特の演技。リーの演技は決して表情豊かとはいえないが、そのあふれ出るエネルギーに惹(ひ)き付けられる。
リーが天才なのは今さら言うまでもないが、彼が肉体一つで作り上げた迫力あるアクションと演技は、まだリーを知らない若い映画ファンにこそ知ってほしいもの。再び注目を浴びている今、そんな若い映画ファンがブルース・リーの新たな魅力を見いだしてくれるかもしれない。(岩永めぐみ)
映画『ブルース・リー 死亡遊戯』は7月21日午後5時15分よりWOWOWシネマにて放送