宮崎駿の“遺言”発言を鈴木プロデューサーが釈明
スタジオジブリの最新作『風立ちぬ』の特別試写会が11日に都内で行われ、ゲストとして登壇した鈴木敏夫プロデューサーが、宮崎駿監督が本作について「本当はやりたくなかった」と語っていたことや、先日の“遺言”発言について改めて語った。
宮崎監督が総合模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」に連載していた漫画を原作にした本作。鈴木プロデューサーが映画化を持ち掛けると、宮崎監督は「あの漫画は趣味で描いているんだ。趣味を映画にするなんてあり得ない。映画は公のものでなければならない」と猛反対したという。この日のMCを務めた住吉美紀アナウンサーから、「漫画も公のものですよね?」と鋭い突っ込みが入ると、鈴木プロデューサーは「売れていない雑誌なんですよ。だからそこで描くことは世間の人は知らないという自信があったんです」とぶっちゃけ、笑いを誘った。
さらに鈴木プロデューサーは、宮崎監督が本作について「俺は本当はやりたくなかった。鈴木さんがうるさく言うから仕方なくやっているんだ」と周りに言いふらしていたことを暴露。劇中に出てくるキスシーンも「鈴木さんが要求したから描いたんだ」と言い張っていたと言い、「本当はやりたかったに決まってるんですよ。あんまり素直な人じゃないんです」と、長年コンビを組んできた鈴木プロデューサーだからこそ言える宮崎監督の素顔を語った。
最後に、これから作品を観る観客たちにメッセージを求められた鈴木プロデューサーは、先日テレビ番組やイベントで「この映画は宮崎駿の遺言です」と発言したことに言及。「宮さんは怒っていましたけどね」と笑いながら明かすも、「それぐらい自分(宮崎監督)が言い残したいことを全部詰めた映画です」と改めてその意味を説明した。(編集部・中山雄一朗)
映画『風立ちぬ』は7月20日より全国公開