小池栄子が『許されざる者』の撮影現場で目の当たりにしたベテラン俳優たちの役者魂とは?
クリント・イーストウッド監督の名作に、李相日監督&渡辺謙主演で新たな息吹を吹き込んだ映画『許されざる者』に出演している女優の小池栄子が、撮影の様子、そして役づくりについて語った。
本作で小池が演じているのは、忽那汐里演じる顔を傷つけられた仲間・なつめのために立ち上がる芯の強い女郎・お梶。小池は、お梶について「女性が虐げられている環境の中で、怒りや悲しみと闘っている強い女性。その強さに惹(ひ)かれました」とその魅力を語る。
極寒の北海道で行われた撮影では、李監督の妥協なき演出によってお梶の人物像を作り上げていったという小池は、「少しでも集中力が切れているとすぐに(監督に)見抜かれてしまう。セリフではなく、お梶自身の言葉になるまで何度も撮影を重ねていくところは、女優としてとてもやりがいがありました」と監督への信頼を吐露。また、薄い着物を着て長時間にわたる撮影の日々で、小池の精神状態は極限にまで追い込まれたといい、「好きなことをしているはずなのに、逃げ場のない苦しみみたいなものを常に感じているような現場でした」と振り返る。
そんな中、小池を支えていたのはベテラン俳優陣の演技に対する姿勢だったそう。例えば、柄本明演じる馬場金吾が、佐藤浩市演じる警察署長から拷問を受けるシーン。「上半身裸で宙づりになるという過酷な撮影でも、もっといいものを、もっといいものをと追求する柄本さん、佐藤さんの殺気を感じて本当に感動しました。わたしたち若手も負けてはいられないと思いました」と本物の役者魂を目の当たりにした興奮を語る。
「女優としても、女性としても自分を常に見失わないように生きていきたい」と話す小池の目には、過酷な時代を生き抜いたお梶に通じる芯の強さが垣間見えた。過酷な撮影を経て、女優としてまた一歩大きく前進した小池の姿を、スクリーンで確かめてもらいたい。(編集部・森田真帆)
映画『許されざる者』は9月13日より全国公開