50年を経ても世界規模で熱烈な支持 SFドラマの金字塔「ドクター・フー」の魅力
イギリスの国民的SFドラマ「ドクター・フー」が、放送開始から今年で50周年を迎えた。本国のみならずヨーロッパや北米など世界規模で熱烈な支持を得ている同作の魅力とは何だろうか。
1963年にイギリスBBCで放送がスタートした「ドクター・フー」。故郷の惑星を滅ぼされた異星人ドクターがポリスボックス型の宇宙船ターディスに乗って地球に飛来し、親しくなった地球人の仲間と共に時空を超えて旅を続けるというSFアドベンチャーだ。
彼らが行く先は人類の過去や未来、さらには地球から遠く離れた銀河系の彼方など実にさまざま。その過程で文明の崩壊や侵略戦争、タイムワープによる歴史のひずみなどに遭遇し、それらを食い止めるため奔走する。ユニークでヘンテコなキャラやシュールなシチュエーションなどイギリスらしいブラックユーモアを全編にちりばめつつ、人間や社会の素晴らしさや残酷さも内包したシビアなテーマを描く独創的な世界観が最大の魅力といえよう。
この人気を裏付けるかのように、ロンドンで3日間限定の50周年記念イベントが開催され、歴代ドクターやエイリアンなどのコスプレをしたファンが世界中から集まった。加えて、放送開始からちょうど50年目にあたる2013年11月23日(現地時間)には、通算799話目の特番「The Day of the Doctor」(原題)が放送。10代目と11代目を中心に歴代のドクターたちが登場するというファン必見の特別編で、なんと史上最多の世界94か国で同時放送。1,000万人以上の視聴者数を獲得し、見事、最大規模の世界同時放送でギネス記録を樹立した。
半世紀を経てもなお揺らぐことのない人気を証明した「ドクター・フー」。2014年1月からは12代目ドクターの活躍を描く新シリーズが始まる予定で、さらに世界中で熱狂的ファンの増殖が予想される。もはやイギリスが世界に誇るSFドラマの金字塔と呼ぶべきかもしれない。(なかざわひでゆき)
「ドクター・フー」生誕50周年を記念して、シーズン5が日本初解禁! Huluにて独占配信中
シーズン6、シーズン7も、Huluにて12月6日より毎週金曜日、1話ずつ独占配信(予定)